コラム
心当たりありませんか? 問題となる「4つの怒り」
怒りは、人間が本来もっている自然な感情表現のひとつで、怒りという感情そのものを取り除くことはできません。怒っても構わないのですが、次の「4つの怒り」の傾向にあてはまる場合は、問題があります。
あなたやまわりの人で、心当たりありませんか?
◆強度が高い
一度怒り出すと止まらず、強く怒りすぎる傾向です。
大声で怒鳴りつけることも多く、相手が謝っていても、怒り続けています。
怒りが爆発すると、まわりの人はもちろん、怒っている本人も、その怒りをコントロールするのが困難になります。
◆持続性がある
過去の怒りを根に持ち、思い出し怒りをする傾向です。
既に大人になっているのに、子どものときの怒りをずっと覚えている場合や、死ぬまで一生怒りが続く場合もあります。その場合、怒りが、恨み、憎しみに変化しています。
◆頻度が高い
しょっちゅうイライラする、カチンとくる傾向です。
一日中、どこで何をしていても、イライラしています。
他の人にとっては「ちょっとしたこと」「何もそんなことで怒らなくても」ということもイライラの原因になったりします。
本人は、「どいつもこいつもけしからん」「あれもこれも腹立たしい」「世の中、自分を怒らせることばかり」と、一日をすごしていたりします。
◆攻撃性がある
攻撃の対象には、「他人」「自分」「モノ」があります。すなわち、他人を傷つける、自分を傷つける、モノにあたる傾向です。
他人に向かう場合は、他人にひどいことを言う、暴力を振るう。
自分に向かう場合は、自分を責め、罪悪感をもつ、後悔する。また、自分の体を傷つけたりします。
モノに向かう場合は、モノを手荒に扱う、叩きつける、壊す。ドアや窓を勢いよく閉める、壁を蹴るなどです。
以上の4つの怒りの傾向、「強度」「持続性」「頻度」「攻撃性」のいずれかが高い場合は、本人の心身の健康を損なうばかりでなく、まわりの人との人間関係も損ないます。
たとえば、職場で、怒りすぎる上司の元では、部下は緊張感が強くなり、リラックスして仕事ができません。創造性や自主性が削がれてしまいます。
部下が「これを聞いたら怒られるかもしれない」と思い、上司に確認せず、ミスにつながることもあります。
また、部下が「この結果を上司に報告したら怒鳴られるかもしれない」と思い、正しい情報が伝えられなくなってしまいます。
風通しの悪い、隠ぺい体質の職場にもなりかねません。
同様のことは、家庭でもあります。
「親から怒られるから言わない」「夫(妻)の機嫌が悪くなるので伝えない」ことにより、問題が生じたりします。
4つの怒りの傾向に関しては、当協会の「アンガーマネジメント診断」で診断することができます(有料)。
また、診断システムを使えるようになる講座「アンガーマネジメント診断」も全国で開催していますので、自分やまわりの人、社内、学校等で、診断を活用することもできます。
(文・編集:川嵜昌子)