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先月のコラム「『怒り』を豊かに表現しよう」で、感情の表現力の乏しさや表現の変化についてお伝えしました。今回は、怒りを暴力などの形で表現してしまう状況について考えてみます。

◆小学生の暴力が過去最多

2015年9月に文部科学省の平成26年度「児童生徒の問題行動調査」が発表され、小学生の暴力が過去最高を記録しました。文部科学省の担当者からは「感情のコントロールがうまくできない児童が増え、家庭での教育機能も低下しているのではないか」と指摘され、感情をコントロールする力をつけることが課題となっています。
日本アンガーマネジメント協会では子ども向けのアンガーマネジメントプログラムを提供しており、学校単位で取り入れるケースも増えてきています。

◆暴走老人も増加

それでは、大人はどうでしょう。
芥川賞受賞作家、藤原智美氏が、2009年に『暴走老人』(文春文庫)で怒りを爆発させる高齢者の姿や背後にある社会、生活の変化、人間関係の問題を指摘しています。
警察庁の発表によると、2015年上半期の刑法犯について、65歳以上の高齢者の摘発が初めて少年摘発件数を上回ったそうです。
高齢化によって高齢者が増えた以上に高齢者の犯罪も増えているのです。
刑法犯に限らず、役所や病院の窓口で怒鳴る、街中で若者に注意する、お店でイチャモンをつけるなど日常のなかでも暴走する高齢者をみかけることがあります。

◆怒りを理解するヒント

暴力を振るう児童生徒も、街中で暴走する高齢者も、それが子どもや高齢者のすべてを示しているわけではありません。
もしかしたら、少し視点を変えるだけでも怒りを爆発させる子どもや高齢者を理解するヒントがあるかもしれません。

暴力や恫喝などの行動にでるのは、うまく自分の感情を言葉で表現できないことが一つの要因です。そこで怒りを表現する言葉を広げることが大切なのです。これが子どもの場合は、語彙力が追いつかない、高齢者においても独居高齢者が増え、会話が減って表現力も衰えるという状況が生じます。

また、怒りやすい・キレやすい人は、辛い・寂しいなどの感情が潜んでいることもあります。
子どもが親の気を引くために問題行動を起こす、感情が安定しないということがあります。高齢者は、社会的な役割がなくなること、配偶者や同年代の仲間との死別、健康面の不安もあります。
本人は気づいていない、あるいは気づかないように感情にフタをしている場合もあります。

アンガーマネジメントは、自分の怒りをマネジメントするためのトレーニングですから、本人が自分の行動パターンを変えたいと思わないのに、他人が無理やり変えさせることはできません。
しかし、アンガーマネジメントを知って、相手をみると行動の背景が理解できることもあるのではないでしょうか。

(文:田辺有理子/編集:川嵜昌子

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