アンガーマネジメントプログラムのご案内
企業内におけるアンガーマネジメント研修に関するご案内です。
アンガーマネジメントに関する内容を、企業研修に導入を検討されている方向けに、導入の流れや、実施内容、また現在実施されている研修へのカスタマイズなど、アンガーマネジメントの研修プログラムをご紹介します。
企業研修事例 - 遠州鉄道株式会社

「人を大切にして企業価値を高める」という経営計画の基本方針のもと、ハラスメント防止の取り組みを進めるなかで、ハラスメントの背景に怒りの感情のコントロールという課題があることに着目し、従業員が互いを尊重し、多様な価値観を認め合い、誰もが笑顔で働ける環境づくりを目指して、アンガーマネジメント研修を導入しました。
・社員向けアンガーマネジメント入門研修
・社員向けアンガーマネジメント叱り方研修
ハラスメント防止への意識向上:
怒りの感情とハラスメントの関係への理解が深まり、職場における適切なコミュニケーションへの意識が高まりました。
「べき」の違いなど共通言語の浸透:
受講者からは「自分の『べき』と他人の『べき』の違いに気づいた」といった声が多く寄せられ、相互理解を促進する共通言語として活用されています。
管理監督者ののコミュニケーション改善:
部下の指導やマネジメントに生かしたいという声が多く、パワハラなどのハラスメント防止につながっています。
社内講師による継続的な研修実施:
アンガーマネジメントの指導者を育成し、社内講師による研修を継続的に実施。学びを一過性で終わらせず、グループ全体へ浸透させる仕組みを構築しています。
INDEX
2026年度「アンガーマネジメント経営賞」大賞を受賞した遠州鉄道株式会社(静岡県浜松市)は、「人を大切にして企業価値を高める」を経営計画の基本方針に掲げ、人権尊重や健康経営、ハラスメント防止などの取り組みを推進しています。
数年前、企業のパワハラ対応について社会的注目が高まる中、同社ではパワハラアンケートを実施。当グループ内でも少なからずパワハラの実態を確認したことから、その対策の一つとしてアンガーマネジメント研修を導入しました。
「アンガーマネジメントは、『人を大切にする』という考え方と非常に親和性が高い」
そう語るのは、自ら講師としてアンガーマネジメントの社内研修を担当する総務部リスク管理課の内山正美氏。同社の取り組みと継続的な組織づくりについてお話を聞きました。
遠州鉄道グループは、静岡県浜松市に本社があり、全18社で構成される総合生活産業グループです。
鉄道やバスなどの運輸事業をメインに、不動産、保険、介護、スポーツクラブなどの事業を展開しているほか、百貨店やスーパーなどの流通・小売事業、タクシーや自動車学校、カーディーラー、ホテル事業等も展開するグループ企業です。
もともと静岡県西部が中心でしたが、グループに静岡トヨタが加わったこともあり、現在は静岡県全域でみなさまの暮らしを総合的に支えています。

もともと数年前から、より働きやすい企業体を目指していくために、グループ全体でハラスメント防止の取り組みを強化していました。
当時のトップも「遠鉄グループはハラスメントを許しません。見過ごしもしません」と宣言して、動画も作成して全従業員が見るようにするなど取り組みを進めていました。
その取り組みの一つとして、アンガーマネジメント研修を導入しました。「人を大切にして企業価値を高める」という経営トップの強い思いがあります。人というのは従業員だけでなく、お客さまや地域のみなさまも含めて、人を大切にして企業価値を高めていくことを経営計画の基本方針として打ち出しています。
ただ言葉にするだけではなく、具体的に何をやっていくのか。アンガーマネジメントは、「人を大切にする」考え方と非常に親和性が高いと感じ、基本方針を実現するための取り組みとしてグループ全体へ広げていこうと考えました。
私が所属するリスク管理課では内部統制業務の一環として、内部通報の対応も担当しています。
グループ全体で約1万1000人の従業員がいますが、内部通報は、9年前は年間26件でしたが、今では年間200件ほど寄せられています。
相談窓口の周知のため、動画を作成して配信したり、社内でティッシュを配ったり、各所属にポスターを貼ったりといった取り組みを推進し、相談者を保護する規程の周知も併せてアピールしてきました。相談窓口の信頼性を高めハードルを低くしたことで、件数が増えております。
相談のなかで最も多いのがハラスメント関連です。全体の3〜4割ほどを占めていて、その多くがパワハラに関する相談でした。
我々は相談者と対象者の双方から話を聞くことが多いですが、やっぱり怒りの感情をうまくコントロールできなくて、つい言わなくてもいいことを言ってしまったり、不適切なことをやってしまったりすることがあると感じました。
だからこそ、怒りの感情をうまくコントロールできるアンガーマネジメントを学ぶ人が増えれば、ハラスメントは必ず減らせると思い、取り組んでおります。
3年半前に、まずは、管理職を対象に社員向けアンガーマネジメント入門研修を実施しました。
コロナ禍だったので、全管理職がオンラインで受講しました。
これをきっかけに、社内でアンガーマネジメントの資格者を増やして、自分たちでグループ全体にどんどん広げていこう、ということになりました。

(左から)日本アンガーマネジメント協会代表理事の松島徹、遠州鉄道株式会社の内山正美氏、同社監査室の倉田正俊氏。
現在は、リスク管理課のメンバーを中心に、私を含め複数の資格者(AMファシリテーター、AM叱り方トレーナー)がおり、自前で研修できる体制になっています。
現在は、全従業員が社員向けのアンガーマネジメント入門研修とアンガーマネジメント叱り方研修を受けることができる体制になっております。スーパーや百貨店、ディーラーなどいろんな業態がある中、各社、各業態の事情に合わせて、現場で働く方にも受講しやすい環境を作れるよう工夫をしております。
企業研修は、どちらかというと受け身で受講する人も多いですが、どうすれば興味を持ってもらって行動変革につなげていけるかも考えながら、常に改善・工夫を重ね、研修を実施しております。それによって、より効果に繋がる研修にしていきたいと思っています。
研修では、毎回アンケートを取ってデータ化しています。
例えば、入門研修の受講者からは、「自分の『べき』と他人の『べき』の違いに気づいた」「自分の『べき』が強いことに気づきました。まあ許せるゾーンを広げていきたい」「感情的になって後悔することもありましたが、6秒ルールを実践したい」というコメントも寄せられております。
叱り方研修の受講者からは、「叱ることが苦手で避けていたが、部下の成長の妨げになっていたと反省した」「正しい叱り方で職場をより良い方向に導いていけるようになりたい」などのコメントがあります。
「子供に対する指導の仕方も見直すことができた」など、家族とのコミュニケーションにも活かしたいといった声もよく聞かれます。
叱り方研修は、「管理職にも受講してほしい」という声も多いですね。多くの管理職が入門研修を受講していますが、叱り方研修の受講はまだ少ないので、こちらも受講者を増やしていきたいと思っております。
研修を重ねる中で、アンガーマネジメントの考え方を広げていくことがハラスメント防止につながるという確信は、年々強くなっています。

今、遠鉄グループでは、カスタマーハラスメントの対応にも力を入れています。「遠鉄グループ カスタマーハラスメントに対する基本方針」の策定・発信や各社での対応マニュアルの作成、研修・周知の実施を進めています。
やはり、現場でお客さまから強い言葉を受けたときに、アンガーマネジメントを知っている人と知らない人では、対応は大きく変わってくると思います。
例えば、「6秒ルール」を実践するだけでも違いますし、カスタマーハラスメント対応の場面でもアンガーマネジメントの考え方は十分に役立っていると思います。
「遠鉄グループコンプライアンスマニュアル」にも明記されていますが、企業理念の社是のひとつに、「私たちの幸せのために遠鉄グループの繁栄を築いていこう」があります。
先ほどもお話しましたが、経営トップは「人を大切にして企業価値を高める」という強い思いがあり「言葉だけにならないように」と常に言っており、その姿勢に私も共感しています。
アンガーマネジメントの取り組みだけでなく、待遇や福利厚生面など様々な対策を進めております。
アンガーマネジメントの教えでは、怒りの感情を入り口にしていますが、誰もが持っている「べき」との付き合い方や怒りが生まれるメカニズムなど、人が生きていくうえで大切な原理原則についても語られています。だからこそ、私も自信を持って紹介できますし、受講する人も共感できるのだと思います。
これからもグループ全体にアンガーマネジメントを広げながら、お互いを尊重し合い、多様な価値観を認め合って、誰もが笑顔で働ける企業グループの実現をさらに目指していきたいと思います。