プレスリリース

2017年03月24日

新卒3年以内の離職に関して、怒りに関する調査結果を発表!


4月の入社シーズンを前に、日本アンガーマネジメント協会が“新卒 3 年以内の離職”に関して調査結果を発表!
入社3年以内に辞めた新卒の50%以上が考える最大の離職理由は、
上司との良好なコミュニケーション”(適切な叱られ方含む)不足
4年以上在籍している新卒の30%以上が考える仕事を続けられた理由は
“同僚との良好な関係“だった!

 怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の普及を行う、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(所在地:東京都港区、代表理事:安藤俊介)は、「4月の入社シーズン」を前に、日本全国の「新卒3年以内に仕事を辞めた男女」、「新卒4年目以降でも在籍している男女」の合計412人を対象にアンケートを実施しました。当会䛿、今日まで企業にとって大きな問題とされてきた、新卒入社3年以内の離職率問題について注目し、「新卒入社3年以内に離職した人」と「4年以上在籍している人」との差には、勤務先における“怒り”や感情コントロールの技術不足が関係しているのではないか、と仮説をたて検証しました。
 そこで本アンケートを実施したところ、「どうすれば退職を回避できたと思いますか?」の質問に対しては、調査対象となった「新卒3年以内に仕事を辞めた男女」の28.2%が「上司との良好な関係」、22.6%が「適切な叱られ方」と回答。入社3年以内に辞めた新卒の過半数が上司との良好なコミュニケーションが不足していたことが判明しました。反対に、「新卒4年目以降でも仕事を続けている男女」の 31.9%は「同僚との良好な関係」を築けていたことが、仕事を続けられた理由だと回答しました。詳しい調査結果に関しましては、下記をご覧ください。


■3年以内に辞めた新卒の50%以上は上司との良好なコミュニケーション不足が原因で離職、4年以上在籍している新卒の30%以上は同僚との良好な関係を築けていたことが仕事を続けられる理由だった!

どうすれば退職を回避できたと思いますか?
(3年以内に仕事を辞めた人)
第1位 上司との良好な関係 28.2%
第2位 (上司からの)適切な叱られ方 22.6%
第3位 労働時間の改善 20.0%
第4位 給与面の改善 16.9%
第5位 同僚との良好な関係 6.7%
第6位 その他 5.6%
退職を回避できた理由はなんでしょうか?
(4年以降でも仕事を続けている人)
第1位 同僚との良好な関係 31.9%
第2位 その他 28.6%
第3位 上司との良好な関係 14.3%
第4位 給与面の改善 10.9%
第5位 労働時間の改善 7.6%
第6位 (上司からの)適切な叱られ方 6.7%

分析①:3年以内に辞めた人は、上司との良好なコミュニケーションを重要視し、4年以上在籍している人は同僚との関係性を重要視する

 調査の結果、調査対象となった3年以内に辞めた新卒のうち、50.8%もの人が、「上司との良好な関係」「適切な叱られ方」があれば退職を回避できたと回答、4年以上在籍している新卒のうち、31.9%もの人が「同僚との良好な関係」が仕事を続けられた理由と回答。3年以内に辞めた人は、上司からの適切な叱られ方、上司との関係性を重要視し、4年以上続けている人は同僚との関係性を重要視することが考えられます。


■調査結果まとめ■

①3年以内に辞めた人は、適切な叱られ方、上司との関係性を重要視し、続けている人は同僚との関係性を重要視する
②仕事や勤務先に関わるイライラが3年以内離職率に大きく影響している
③1週間の中で最もイライラした日は月曜日、2位金曜日だが、休日にもプライベートなことでイライラしている
④男女ともにイライラの解消法は人に“愚痴る”ことだが、特に女性は圧倒的にその傾向にあり、男性は運動など身体を動かすことでも解消できる。


■3年以内に辞めた人は4年以上在籍している人に比べて3倍以上イライラしている!

新入社員時、1日に何度仕事や勤務先に関することでイライラしましたか?(3年以内に仕事を辞めた人)
20回以上 14.8%
15回~19回 1.0%
10回~14回 10.3%
5回~9回 23.8%
1回~4回 50.2%
新入社員時、1日に何度仕事や勤務先に関することでイライラしましたか?(4年以降でも仕事を続けている人)
20回以上 4.5%
15回~19回 0.6%
10回~14回 8.2%
5回~9回 19.5%
1回~4回 67.4%

分析②:仕事や勤務先に関わるイライラが3年以内離職率に大きく影響していることが実証される!

 調査の結果、3年以内に仕事を辞めた人は、4年以上在籍している人に比べて「1日20回以上イライラした割合」が3倍以上になることがわかりました。このことから、仕事や勤務先に関わるイライラが新卒の3年以内離職率に大きく影響していると考えられます。


■1週間の中で最もイライラした日は月曜日、2位は金曜日という結果に!

新入社員時、1週間の中で、仕事や勤務先に関することで最もイライラした日は何曜日ですか?
第1位 月曜日 56.3%
第2位 金曜日 13.2%
第3位 土曜日 9.0%
第4位 日曜日 7.9%
第5位 火曜日 5.0%
第6位 水曜日 4.5%
第7位 木曜日 4.0%

分析③:仕事が溜まってしまう月曜日、金曜日が上位に。意外にも土曜日、日曜日にもイライラしていることが判明!

 調査の結果、1週間の中で最もイライラした日は圧倒的な差で月曜日が選ばれました。理由には「仕事が一番たまっていて、ストレスフルだったので」(32歳男性/静岡県)など、業務量の多さが挙げられました。次いで 2位の金曜日は、「一番忙しい日で、仕事が終わるのも遅かった」(32歳男性/北海道)と、こちらも週末は業務量の多さにイライラを感じているようです。他の平日に比べて数値が高かった土日には、「子どもと関わる時間が長いから」(24歳女性/京都府)、「人と接する機会が多いから」(27歳女性/千葉県)など、家庭内やプライベートのことが原因でイライラを感じていることが判明しました。


■男性、女性ともにイライラの解消法は「誰かに話す」が1位に選出!

新入社員時、イライラをどのように解消しましたか?(男性) ※複数回答
第1位 誰かに話す 42.6%
第2位 気持ちを落ち着かせる 28.2%
第3位 運動する 27.7%
第4位 とにかく飲む 17.7%
第5位 とにかく食べる 17.1%
第6位 解消できない 15.6%
第7位 SNSに書き込む 12.2%
第8位 その他 9.5%
新入社員時、イライラをどのように解消しましたか?(女性) ※複数回答
第1位 誰かに話す 72.9%
第2位 とにかく食べる 28.9%
第3位 気持ちを落ち着かせる 20.4%
第4位 SNSに書き込む 14.0%
第5位 とにかく飲む 10.7%
第6位 解消できない 9.0%
第7位 その他 8.6%
第8位 運動する 4.6%

分析④:男女ともにイライラの解消法は人に“愚痴る”ことだが、特に女性は圧倒的にその傾向にあり、男性は運動など身体を動かすことでも解消できる。

 調査の結果、男女ともに「誰かに話す」ことがイライラの解消に繋がると回答。つまり、誰かに“愚痴る”ことでイライラを発散しているようです。特に女性は70%を超すなど、その傾向が顕著に表れています。このことからも、女性ハ男性よりも他人に依存し、人との関わりを重要視していることが考えられます。また、「運動する」と回答した女性が 4.6%なのに対して、男性は27.7%と約6倍の差が開きました。


「新入社員時、仕事や勤務先に関することでイライラしたこと」その他の自由回答

■上司が、自分の間違いを認めない(女性/25歳/愛知県)
■同僚が誰かの悪口ばかりを長時間話すので、早く解放されたかった(30歳女性/青森県)
■何を言っているのか聞き取れないほど 叫びながら怒られたとき(24歳男性/滋賀県)
■年功序列型の給与体系。寝てるおじさんの方が働いている若手より給料が良い(27歳男性/神奈川県)
■「残業するのはお前らの仕事が遅いからだ。残業代は出さないからな。」と言われたこと(33歳男性/東京都)
■同期が仕事の愚痴しか言わず、やることをやらない。結果としてすべて自分に降ってきたこと(31歳男性/神奈川県)
■変な伝統習慣に無理やり参加させられること(34歳男性/東京都)
■1年生がいるからいそがしいんだよと自分が聞こえるところで話していた時(26歳女性/東京都)
■こんな会社によく考えもせず入社してしまった自分の愚かさ(26歳女性/愛知県)
■死ねと言われたこと(23歳男性/東京都)

【調査概要】
サンプル数:412 人
調査対象者:「新卒3年以内に仕事を辞めた男女」、「新卒4年目以降でも仕事を続けている男女」
調査方法:インターネットリサーチ
調査時期::2017年3月7日~3月8日
調査内容:「仕事や勤務先関して怒りを感じたこと」について単一回答、複数回答にて調査を行い分析

《日本アンガーマネジメント協会 代表理事 安藤俊介の考察》  
 徐々に回復傾向にある新卒の3年以内離職率問題ですが、まだまだ大きな社会問題として注目されています。
 実際に「新卒3年以内に仕事を辞めた男女」、「新卒4年目以降でも仕事を続けている男女」にアンケートをとったところ、入社3年以内に辞めた新卒の最大の離職理由は、“上司との良好な関係”が不足していたこと。4年以上在籍している新卒が仕事を続けられた理由は“同僚との良好な関係“だったという結果は非常に興味深いと言えます。つまり、新卒3年以内の離職率を下げるには、新卒と上司との良好なコミュニケーションが不可欠です。自由回答にもある通り、上司からの理不尽な怒られ方や、上司が自分の間違いを認めないなど、上司自らが新卒に対する接し方を変えることによって解決する問題ばかりです。また、上司だけでなく新卒自身も同僚との良好な関係を築くことにより、より効果は表れるでしょう。無駄なストレスを生まないためにも、“怒り”の原因であるお互いの「べき」を理解・尊重し合うことが大切になってきます。
  2017年2月24日から実施されたプレミアムフライデーですが、今回の調査結果を受けて、尚更注目に値する施策であると言えるでしょう。私は施策そのものは評価できる取り組みと考えていますが、一方でまだ始まったばかりで定着するかどうかが見えていません。プレミアムフライデーが社会に根付き、金曜日は早く仕事が終わるものという価値観が社会全体で共有できれば、週末のリフレッシュに向けて、金曜日からのイライラをプライベートに持ち込まずに済むことができるようになるでしょう。そうなれば、仕事、プライベートでのイライラの悪循環を断ち切ることができ、月曜日もすっきりとリセットした状態で仕事を始めることができ、週明けからイライラするようなことも減ると考えられます。
 分析④の男女ともに多くが「誰かに話す」ことでイライラを解消しているという結果は、アンガーマネジメントの観点から分析すると、“怒り”の感情には、伝染するという性質があり、一人がイライラしていると、その周囲にいる人にもイライラが伝染し、結果的に“怒り”の連鎖は続いてしまいます。この“怒り”の連鎖を断ち切るためにも、一人ひとりが“怒り”の感情をコントロールすることが重要になってきます。また、心を整えるには身体を整えることも重要になるので、運動は効果的だと言えるでしょう。

【アンガーマネジメントとは】

 アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで開発された、怒りの感情と上手に付き合う(マネジメントする)ための心理トレーニングです。
アンガーマネジメントを学ぶことによって、自分自身の怒りを理解し、感情のコントロールをしたり、ポジティブな考えを生み出せ、また周囲との良好な人間関係を成立させることができます。プログラム開発当初は、DVや差別、軽犯罪者に対する矯正プログラムとしてカリフォルニア州を中心に確立され、現在では全米の教育機関や企業でも広く導入され、教育・職場環境の改善、学習・業務パフォーマンスの向上を目的に、長年活用されています。

 2001年頃より、アンガーマネジメントの社会での必要性がより高まり、プログラムの普及が急激に加速しました。現在アメリカ国内では、1,500名以上の認定ファシリテーターが所属するナショナルアンガーマネジメント協会(National Anger Management Association)をはじめ、アンダーソン・アンド・アンダーソン(Anderson and Anderson)やMFTNY(Marriage and Family Therapy of New York)などが組織されており、ビジネスパーソン、政治家、弁護士、医師、スポーツ選手、俳優など、職業にとらわれず、実に様々な人達が、よりよい生活や人間関係を手に入
るために「アンガーマネジメント」を取り入れています。

 怒りの根本には、実は様々な感情が隠されています。その感情が何なのか?自分の怒りが起こる原因は一体どこからなのか?アンガーマネジメントを学ぶ事によって、自分自身の怒りを理解し、コントロールしたり、癒したり、ポジティブなものへ変換させたりすることができます。それにより、自分の中でたくさんの変化が生まれ、感情がさらに豊かになり、職場での問題解決や夫婦や友人、人間関係全般、自分の周りに関係するあらゆる物事に良い循環が生まれるようになります。

 近年アンガーマネジメントは、日本をはじめ世界でもその重要性を認められ、公的機関や企業、教育現場、医療現場などで導入が始まっています。日本でも、世界最大組織であるナショナルアンガーマネジメント協会(アメリカ)の日本支部として、2011年6月に一般社団法人日本アンガーマネジメント協会を設立させ、文部科学省も重要視する「アンガーマネジメント」を社会に浸透させています。

【一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会】

法人名:一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会
代表者:代表理事 安藤 俊介
所在地:〒108-0023 東京都港区芝浦3-14-8 芝浦ワンハンドレッドビル6階

安藤 俊介(あんどう しゅんすけ)

怒りの感情コントロール専門家。怒りの感情と上手に付き合う(マネジメントする)ための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の日本の第一人者。
ニューヨークで働いていた際、イライラ、怒りに振り回される自分に苦しんでいたところ、「アンガーマネジメント」に出会う。怒りを理解し、うまくマネジメントする手法を実践するうちに、自分自身が生まれ変わったことを実感する。世界で15人しかいない最高ランクのトレーニングプロフェッショナルにアメリカ人以外では唯一登録されている。

【最新書籍】:『アンガーマネジメント 叱り方の教科書』(3月29日発売)

誰かを指導する立場になれば、「叱る」ことの欠かせない仕事。叱ることが苦手だからといっても仕事である以上、逃れられない。ならば叱ることの意味をきちんと理解し、上手な叱り方を身につけよう!
叱り方の基本から、部下の怒りタイプ別の叱り方アドバイスまで〝叱り〟の全てを徹底解説!学校では教えてくれない怒り方、叱り方を、アンガーマネジメントを使ってお伝えします。


【メディア出演実績】

TV :NHK「おはよう日本」、日本テレビ「NEWS ZERO」、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」 等
新聞:朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、産経新聞、日刊スポーツ、夕刊フジ 等
雑誌:AERA、PRESIDENT、週刊東洋経済、anan、MORE、BAILA、美的、UOMO、GQ JAPAN、ALBA 等

【アンガーマネジメント 導入実績】

企業:三井物産株式会社、野村証券株式会社、スカイマーク株式会社、SMBCコンサルティング株式会社 等
教育関連:東京都教育委員会、神奈川県教育委員会、奈良県教育委員会、埼玉県立飯能南高校 等
アスリート:片山晋呉(プロゴルファー)、前園真聖(元プロサッカー選手) 等