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こんにちは。協会事務局です。
今回は過去に人気の高かった記事の中から2016年6月にご紹介した「指導のつもりがパワハラ扱い」という記事をご紹介します。

本日、全国900人を対象とした「怒りとパワハラの関係性」の調査結果も発表されました。

パワハラについてあらためて考えるきっかけとしていただけましたら幸いです。

***

以前、管理職のお悩みとして紹介した「部下を怒りたいけれども、怒れない」という人がいる一方で、本人にはその認識がないまま、「パワハラ」と見なされてしまった人もいます。

「まさか自分の指導をパワハラと言われるとは思ってもみなかった」というのは、40代の管理職の男性、Aさん。

Aさんは言います。
「普通に叱っただけですよ。うちは営業の部門ですから数字を上げなきゃいけない。それで、数字が上がっていない部下に、要は『ちゃんとやれ』と言っただけです」

部下に発破をかける意味で、毎日、叱咤激励したとのことですが、部下は会社にパワハラを受けていると相談し、Aさんは、厳しく注意を受けたと言います。

 

◆上司と部下の「べき」の違い

職場のパワハラの定義は、厚生労働省によると「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」となっています。

Aさんにとっては、「業務」として「指導」したつもりが、部下にとっては「業務の適正な範囲を超え」た「精神的苦痛」だったのです。

Aさんは、部下指導に関して「きちんとやってもらうために、ビシッと言うべき」「毎日、叱咤激励すべき」という考えをもっていました。
「これまで、感謝はされても、問題になることはありませんでした」と言います。

しかしながら、今回の部下は会社に「Aさんは、何をどうしたらよいのか教えてくれず、毎日、ただ怒鳴られた」と言ったそうです。

部下は「指導なら、何をどうしたらよいのか具体的に教えるべき」「激励なら、元気が出る言葉をかけるべき」と思っていたため、Aさんから「指導された」「激励された」と受け取らず、「強く怒られ、落ち込ませられた」という思いだったようです。

指導、激励に関する「べき」が、Aさんと部下では違っていたのです。

さらに、Aさんは「どうしたらよいのかは、営業担当者が自分の経験からつかむべき」という考えももっていました。「意地悪や職務怠慢ではなく、そうしないと、本当の力が身につかない」という考えでした。

 


◆怒っても伝わらないことも

「こうあるべき」、すなわち「これが当然」「常識」「理想」という価値観は、一人ひとり違います。
そして、それぞれの人にとって、自分の「べき」は重要です。
Aさんにとって、Aさんの「べき」が重要であるように、部下にとっても、部下の「べき」は重要です。

今回のケースは、Aさんが、
1)人によって「べき」は違うことと、
2)相手の「べき」は相手にとって重要なこと
を理解していなかったために起きてしまったと言えるでしょう。

Aさんが怒ったのは、Aさんにとっては、部下への「指導」「激励」でしたが、部下にはそれが伝わりませんでした。
Aさんの目的である、部下の営業成績を上げることに、これまではつながったのかもしれませんが、今回はそうではありませんでした。

管理職は、怒ることによって伝わることもあれば、伝わりにくくなることもあることを理解し、どうしたら伝わるかを考える必要があるでしょう。

 

(文・編集:川嵜昌子

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