コラム
ゴルフ王者とアンガーマネジメント
米ジョージア州で開催された男子メジャー初戦「マスターズ」が先日幕を閉じました。プレーオフを制し、メジャー初タイトルを手にしたのは33才のB・ワトソン(バッバ・ワトソン)。首位に立っていたウースト・ハイゼンをその圧倒的な飛距離で捉え、共に通算10アンダーで並んでホールアウトしたワトソン。激戦のプレーオフを征した影には、彼が苦労の末身につけたアンガーマネジメントスキルがあったようです!
ワトソンは、実は元々非常に怒りっぽい性格でした。本人も過去を振り返ってこう語っています。
「僕は間違った生き方をしてきた。一打一打が、僕の感情をかき乱してイライラの原因になって、ゴルフコース上での振る舞い全てをコントロールしていたんだ。時間は長くかかったけど、僕は(感情の問題を克服するために)一生懸命努力した。これから先も、もっと良くなるようにね」
ワトソンが改心しようと思ったのは4年前。妻と、キャディーを務めていたスコットが「コースでそんなに怒ってばかりいないで、ゴルフができる人生に感謝したらどうなの?」と忠告した時でした。実はスコットは、ワトソンの元を離れようとさえしていたそうです。
ワトソンは、最新の賞金ランキングでも$3.124.138(約2億5600万)を稼いで堂々1位にランクイン。アンガーマネジメントを体得した恩恵は、収入にも直結したようです。
努力の甲斐あって感情的にも成熟したワトソンと対極にあったのが、タイガー・ウッズ。今回は40位というプロ転向以来マスターズの自己最悪記録となりました。そしてメディアから叩かれているのが、グリーン上でのウッズの振る舞いです。ショットを失敗すると自身のクラブを投げたり蹴ったり、完全に感情のコントロールを失っていました。
怒りのコントロールができるかできないかで、ここまで成績が明白に分かれるものなのですね。ワトソン選手、優勝おめでとうございます!
(英文記事URL)
http://www.bloomberg.com/news/2012-04-09/watson-s-maturity-brings-masters-green-jacket-as-woods-sulks.html