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長い人生で出会う人の数は、平均3万人ともいわれています。ビジネスパーソンにとって、その多くは仕事の関係で出会う人かもしれません。起きている時間の大部分を職場で過ごすビジネスパーソンが、職場でどんな人と一緒に働くか、ということは大きな要因です。
とくに、若いときの上司や先輩に影響を受けた、とおっしゃる人は多く、自分が新人のときに、どのように育ててもらったか、ということが、自分の部下育成に大きく影響を受けている方もいらっしゃるようです。

 

◆怒りが生まれる3段階

アンガーマネジメントでは、怒りは瞬間的に生まれるものではなく、怒りが生まれる仕組みがあると考えます。人は瞬間的に怒るのではなく、必ず次の3ステップを経て怒るようにできています。
(1)「出来事に出会う」
(2)「意味づけを行う」
(3)「怒りの感情が生まれる」
同じ出来事に出会ったとしても、「意味づけ」は人それぞれ違います。同じ出来事でも、腹立たしいととらえることも、楽しい・笑える・可愛いもんだととらえることもできるのです。

 

◆怒って育てるか、笑って育てるか

「お客様に日本茶をお出しして」と指示を受けた新人秘書。お茶の淹れ方がわからず、ティースプーン一杯ずつの茶葉を各々の湯飲みに入れ、お湯を注ぐ、というインスタントコーヒーさながらの技を進行していました。様子を見に来た先輩のベテラン秘書は、驚きました。
「お茶の淹れ方、知らないの?」
「はい、家のお茶はペットボトルですので・・・」
ベテラン秘書は、ジェネレーションギャップに気づき、豪快に笑って「ごめん、ごめん、知っていると思って、ちゃんと教えなかった私が悪いわね」と言いながら、お茶の淹れ方を見せながら教えました。

このケースの先輩秘書は、面白い・笑えると意味づけをしましたが、腹立たしいと意味づけをしていたら、生まれる感情とその後の行動も変わります。ネガティブな意味づけによって表出された感情や行動は、未来を変えてしまいます。
この新人秘書は、委縮せずに仕事を覚えていった経験から、後輩を叱らずに育てる先輩秘書として指導役をしています。

 

◆文句が多いと受け取るか、意欲があると受け取るか

仕事を完璧にしたいと思っている人ほど、要望も多くなるものです。こういう環境を整えてほしい、あれが足りない、時間がほしい、人を回してほしい、報酬を上げてほしい・・・。
「あいつ、文句が多いですね、部長」
「彼のやる気をかって抜擢したんだ。あれくらいは、可愛い“おねだり”だよ。」

 

部下の行動にポジティブな意味づけをする上司の下では、部下も能力を発揮しやすいため、意味づけ上手な上司は、チームの生産性を上げることができます。
感情が安定した上司を、包容力がある・信頼できる・人望があるなどと表現する部下も多く、自分もそのような上司になりたいと目指す連鎖が生まれます。
人柄を表す言葉に、「器が大きい」という表現があるように、アンガーマネジメントでは、私たちの心の中にはコップがある、と私たちは、お伝えしています。実は、この心の中のコップは、アンガーマネジメントを学ぶことで、大きくすることができるのです。

アンガーマネジメントを取り入れた、企業や官公庁での「管理職研修」・「リーダーシップ研修」・「部下育成研修」などでは、その方法もお伝えしています。

個人で学びたい方には、「アンガーマネジメント入門講座」、「アンガーマネジメント応用講座」の中でも「心のコップ」を大きくする方法をお伝えしています。日本アンガーマネジメント協会のホームページからお申込みいただけます。

 

文:中山美佐子 (アンガーマネジメントキッズインストラクターマスタートレーナー)