コラム
コーチを苛めるモンスターペアレント
アメリカでは子どものスポーツ活動が大変盛んで、専任のコーチも付いています。しかし最近、コーチを苛める親がとても多いのだそうです。アンガーマネジメントが必要なのは、子どもの活躍のためなら手段を選ばない親なのでしょうか、それとも理不尽な文句を言われても、意に介さないメンタルの強さを持つクラブのコーチなのでしょうか。
ミネソタ州の高校ホッケーチームのコーチを務めるジェフは、こう嘆きます。「高校のスポーツコーチの離職率は最近高くて、他の大勢も契約更新にサインしていないんだ」その理由は親からのクレームだと言います。ジェフ自身も、数ヶ月前に「子どもを苛めている」と保護者から批判され、それをきっかけにコーチの権利を主張するようになりました。
あれこれ要求してくる親は、コーチの一挙手一投足を詮索し、高校スポーツに陰を落としています。保護者がジェフに対して訴えた内容です。「空き缶を投げ、クリップボードを壊し生徒達を威嚇して苛め、更に金を横領していた」
学校側はプライバシーの問題もあり審議の内容は明らかにしませんでしたが、ジェフはさすがにストレスが溜まり過ぎてコーチを辞め、9年率いたチームを去る事にしました。
他にも誰をレギュラーにするか、自分の子どもの出場時間、しつけなどに口を挟んで来る親も多く、長い批判メールを送りつけて来たり、挙げ句の果てにはグルになってコーチを辞めさせようとしたりするそうです。
あるバスケットボールのコーチは、「プロのコーチと良い親が、アメリカじゃ隅に追いやられている」と嘆きます。スポーツは、観戦してもプレーしても、より怒りをコントロールするのが難しくなります。アンガーマネジメントではそれぞれの立場の『権利・義務・欲求』をはっきりさせる事が大切なのですが、モンスターペアレントは権利と欲求を混同しているのかもしれませんね。
(英文記事URL)
http://www.startribune.com/sports/152353155.html