コラム
子供は想像の世界=現実の世界です
「子供って、何でこんなに不思議な行動をするんだろう?」「どうしてこんな事に強いこだわりを持つの?」と感じたことはありませんか。
これが子育てのイライラにつながったりするのですが、親御さんがイライラするその行動は、子どもにとってはごく自然な事なんです。
今回は、実際に筆者と娘(5歳)との間にあったちょっとしたいざこざを例にとって、子供の目線から物事を見てみることにしましょう。
年末に、私と娘はお知り合いのお宅で夕食をごちそうになっていました。その時、娘が使っていた箸がテーブルについたんです。
そしたら「テーブルについちゃった!箸を替えなきゃー!!」
と言って、半ばパニック状態。
「テーブル綺麗だから、大丈夫よ」
と何度言ってもダメです。頑として聞きません。
そこで、新しいお箸を持って来ていただいたのですが、子どもって何でこんな意味不明な行動をとるのだと思いますか?
日本アンガーマネジメント協会では、2013年より新しく「親子でできるアンガーマネジメントプログラム」をスタートさせます。
そこで講座開催に向けて、筆者は海外のペアレンティング(親学)の文献にたくさん目を通しているのですが、その中でこう指摘されていました。
「子どもと大人の認知機能は全く違っていて、子どもは想像と現実の世界の境目が曖昧だ」
そこでテクニックを使い、子供の気持ちを探ってみることにしました。 (このテクニックは解説すると2時間くらいかかるので、ここではかなりシンプルに「子どもの話を聞いてあげる」にしておきます)
私:「どうしてお箸を替えたくなったの?」
娘:「分からないよ~(子どもは大抵分からないといいます)」
何回か質問していくと
娘:「だってね、夢で見たんだけどね、私が箸をテーブルに落とすと、周りにいる大人が『箸を替えなきゃダメ!』って言うから」
と予想外の回答が!
でも、子どもはその行動が起こった直後に、ここまで話せないんですよね。
そこで、大人はその意味不明な行動に対してキレたくなります。
子どもは大人が考えるのとは別の理由があって、その行動をしている訳です。
昔は皆さんだって、自分が歩くとお月様も一緒についてくるように見えませんでしたか?
いつから「お月様はただ空に浮かんでいる」という感覚になったのでしょう。
出来事は一つでも、目線を変えれば全く違った風景が広がっています。「子供の行動は理解不能」と一方的に片づける前に、一度子供の景色を覗いてあげて下さい。
(参考文献) Pat Harvey Parenting a child who has intense emotions 2009
Ross W. Treene The Explosive Child 2010