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今、弊協会では思春期(12才〜18才)の皆さんがアンガーマネジメントを実践できるようなプログラムを作っています。海外の文献を当たると、特に思春期向けの本では”Mindfulness”という単語がたくさん出て来ます。とても訳しにくい言葉ではありますが、簡単に説明すると「今自分が何をやっているか注意を払い、今何が起きているのか決めつけるのではなく受け入れる事」となります。

現在に意識を向けるのは、感情コントロール技術で最も基本的な事ですが、これを実践するのはとても難しいのです。なぜなら私たちは過去の苦い経験や未来を心配する余り、今の状況よりも恐怖や不安に心を支配されがちになってしまいます。

これから人生の扉を開けていこうとする思春期の皆さんは、尚更過去や未来の心配に心を持って行かれがちです。例えばこんな状況はどうでしょうか?

[Aさんのケース]

Aさんは友達の家のパーティーに呼ばれて、最初はとても楽しみにしていましたが、だんだんその日が近づくにつれて憂鬱になってきました。前にパーティーに行った時、自分だけがうまく輪に入れなくて一人テレビを見ていた事を思い出したからです。当日、また居場所がなくなってしまうのではないかと、友達と話していても常に不安を抱えていました。結果、パーティーの時間の多くを楽しむというより心配や気遣いで過ごしてしまいました。

Mindfulな状態で過ごすという事は、つまり「今あなたが対処しなければいけないのは、実際に今起こっている出来事に対してのみで、過去や未来から来るネガティブな思考にはとらわれる必要はない」心の状態を指します。これを意識してみるとどう変わるでしょう?

[Aさんのケース]
(前半は上記と同様) …Aさんはパーティーに参加していると、つい以前感じた苦い感情に襲われそうになりましたが、「今この瞬間」に集中することにしました。状況を見て、受け入れ、恐怖や心配が心に浮かんでくると、再び自分の心を「今」に戻す様に意識しました。

自分の心の状態が、今「過去・現在・未来」のどこにとらわれているのか意識するだけでも、感情を上手に扱えるようになります。そして「今」の状況にフォーカスできるようになってくると、感情があなたの心をコントロールするのではなく、あなた自身が感情をコントロールできるようになってきます。

今回は思春期向けの本からご紹介しましたが、思春期を過ぎた大人の皆さんも、もしネガティブな感情で一杯になってきたら、”Mindfulness” な状態になる事を意識されてみて下さいね。

参考文献
Van Dijk, Sheri. 2013. Don’t let your emotions run your life for teens : New Harbinger Publications.

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