プレスリリース

2018年12月14日

第4回「アンガーマネジメント大賞2018」発表!


第4回「アンガーマネジメント大賞2018」発表!
“怒りの感情コントロール”の専門家252人を対象に、
2018年に注目された“怒り”に関する話題へのアンケート調査を実施!
平成の“怒り”を総まとめ、平成で最も怒りをコントロールできた有名人も発表!
①2018年上手に怒りの感情をコントロール・対応した
有名人第1位「アンガーマネジメント大賞2018」
大坂なおみ選手(女子プロテニス選手)
②2018年怒りの感情をコントロールできずに
失敗してしまったと思う有名人第1位は
セレーナ・ウィリアムズ選手(女子プロテニス選手)
③2018年怒りを感じたニュース・出来事第1位は
日本大学アメリカンフットボール部の
悪質タックル問題
④≪平成まとめ≫上手に怒りの感情をコントロール・対応した
有名人第1位「平成のアンガーマネジメント大賞」
三浦知良選手(プロサッカー選手)
⑤≪平成まとめ≫怒りの感情をコントロールできずに
失敗してしまったと思う有名人第1位は
豊田真由子氏(国会議員)
⑥≪平成まとめ≫1番怒りを感じたニュース・出来事第1位は
東名高速の追い越し車線事故(あおり運転/ロードレイジ)

~一般社団法人日本アンガーマネジメント協会会員363人、アンガーマネジメントの公認講師252人に対してアンケート調査、投票を実施~


怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の普及を行う、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(所在地:東京都港区、代表理事:安藤俊介)は、全国の20代~70代までの男女363人を対象にアンケート調査。2018年を振り返り、①上手に怒りの感情をコントロール・対応した有名人、②怒りの感情をコントロールできずに失敗してしまったと思う有名人、③今年一番怒りを感じたニュース・出来事、について調査結果をまとめました。

その後、このアンケート調査で上位に挙げられた回答の中から、12月1日に中野セントラルパークカンファレンスで行われた「一般社団法人日本アンガーマネジメント協会カンファレンス 2018」で、当日出席した当会公認のアンガーマネジメントファシリテーター(アンガーマネジメントの公認講師)252人が各設問に投票し、それぞれ第1位を選出しました。中でも上手に怒りの感情をコントロール・対応した有名人第1位に輝いた大坂なおみ選手を、2018年に最も怒りの感情をコントロールできた人物として「アンガーマネジメント大賞2018」に認定いたします。また、今年は平成最後ということで、過去3回の調査結果(2015年~2017年)において各項目で第1位に選ばれた中から、それぞれ第1位を選出する平成の“怒り”についても調査結果をまとめました。中でも、最も上手に怒りの感情をコントロール・対応した有名人第1位に輝いた三浦知良選手を、平成で最も怒りの感情をコントロールできた人物として「平成最後のアンガーマネジメント大賞」に認定いたします。

調査の結果、2018年に最も上手に怒りの感情をコントロール・対応した有名人「アンガーマネジメント大賞2018」に選ばれたのは、女子プロテニス選手の大坂なおみ選手でした。今年の「全米オープン」で見事に優勝を果たした大坂なおみ選手に対し、観客からは表彰式で浴びせられたブーイングが起こりましたが、怒りを表すのではなく、逆に元世界女王のセレーナ選手に対して感謝とお辞儀をするなどの対応をしたことが評価の対象となりました。

反対に、怒りの感情をコントロールできずに、失敗してしまったと思う有名人には女子プロテニス選手のセレーナ・ウィリアムズ選手が第1位に選ばれました。全米オープンテニスの女子シングルス決勝で、大坂なおみ選手と戦ったセレーナ選手は、主審を「うそつきで盗人」と呼ぶなど試合中激高。コーチングの違反をとられると、さらにラケットを壊すなどしてペナルティーを受けた。その結果優勝を逃したことが、選出の決め手となりました。

今年1番怒りを感じたニュース・出来事の第1位には「日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題」が選出されました。同問題の後、同じ日大チアリーダー部の監督らによるパワハラが発覚し、暴言などを受けて、生徒から被害届が出されるなど、スポーツ界でパワハラ問題が次々と噴出し始める皮切りとなったことから選出されました。

平成で最も上手に怒りの感情をコントロール・対応した有名人「平成最後のアンガーマネジメント大賞」には、プロサッカー選手の三浦知良選手が選出されました。2015年4月、野球評論家の張本勲氏がTV番組で、48歳の三浦選手に「もうお辞めなさい。若い選手に席を譲らないと」とコメント。これに対し三浦選手は「光栄です。激励だと思います」と返答。“引退勧告”とも解釈できる言葉を受けても、穏やかに対応したことが評価の対象となりました。

平成で怒りの感情をコントロールできずに、失敗してしまったと思う有名人には、国会議員の豊田真由子氏が選出されました。元政策秘書に対し、「このハゲーーー!」と運転中に罵倒し暴力をふるうなど、怒りの感情を露わにした証拠テープが公開、報道された。その後、書類送検の後、離党することとなったことが、選出の決め手となりました。

平成で1番怒りを感じたニュース・出来事の第1位には、東名高速の追い越し車線事故(あおり運転/ロードレイジ)が選出されました。神奈川県大井町の東名高速道路で、ワゴン車の進路をふさいで追い越し車線に無理やり停車させ、トラックが追突する事故を引き起こした。この事故で、嘉久さんと妻の友香さん(39)が死亡、高校1年と小学6年の姉妹がけがをしたことから選出されました。

その年に注目された人物、毎年起きる様々な事件やトラブルは同年の世相を表していると言えます。日本アンガーマネジメント協会が実施した、“怒りの感情コントロール”の専門家の投票による、日本初“怒り”の視点による2018年、平成最後の総括。次ページ以降に調査結果をとりまとめましたので、是非ご一読ください。

<調査結果 まとめ>

①上手に怒りの感情をコントロール・対応した有名人第1位「アンガーマネジメント大賞2018」は
大坂なおみ選手(女子プロテニス選手)

②怒りの感情をコントロールできずに失敗してしまったと思う有名人第1位は
セレーナ・ウィリアムズ選手(女子プロテニス選手)

③今年1番怒りを感じたニュース・出来事第1位は
日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題

④≪平成まとめ≫上手に怒りの感情をコントロール・対応した有名人第1位「平成最後のアンガーマネジメント大賞は
三浦知良選手(プロサッカー選手)

⑤≪平成まとめ≫怒りの感情をコントロールできずに失敗してしまったと思う有名人第1位大賞は
豊田真由子氏(国会議員)

⑥≪平成まとめ≫平成で1番怒りを感じたニュース・出来事の第1位は
東名高速の追い越し車線事故(あおり運転/ロードレイジ)

(一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会調べ)


*1 調査の方法
①事前アンケート調査
調査期間:2018年11月2日~11月11日
調査方法:日本アンガーマネジメント協会のメールマガジン
調査対象:調査対象:20代~70代までの全国の男女363人
対象項目:2017年11月~2018年10月の間に注目された人物・事件・事柄

②アンガーマネジメントファシリテーター(日本アンガーマネジメント協会の公認講師)による投票
調査日:2018年12月1日(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会カンファレンス 2018/中野セントラルパークカンファレンス)
調査方法:投票用紙への記入
調査対象:全国のアンガーマネジメントファシリテーターの公認資格を持つ男女252人
対象項目:①の調査により各設問で上位に挙げられた10項目を選択肢として、調査投票を実施
※平成の“怒り”の調査結果は、過去3回の調査結果(2015年~2017年) において各項目で第1位に選ばれた中から3項目を選択肢として、調査投票を実施

【調査結果】
①上手に怒りの感情をコントロール・対応したと思う有名人は誰ですか?(n=252)
第1位「アンガーマネジメント大賞2018」 大坂なおみ選手(女子プロテニス選手)(152)人

上手に怒りの感情をコントロール・対応したと思う有名人 人数
第1位 大坂なおみ選手(女子プロテニス選手) 152人
第2位 宮川泰介氏(日本大学アメリカンフットボール部部員) 46人
第3位 サッカーワールドカップ日本代表選手 11人
第3位 水卜麻美アナ(アナウンサー) 11人
第5位 西野亮廣氏(お笑い芸人:キングコング) 8人
第5位 西野朗氏(元サッカー日本代表監督) 8人
第7位 ダレノガレ明美氏(タレント) 7人
第8位 小室哲哉氏(元アーティスト) 5人
第9位 石川遼氏(プロゴルファー) 3人
第10位 高島彩氏(アナウンサー) 1人

(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会調べ)

 上手に怒りの感情をコントロール・対応したと思う有名人は誰ですか?という問いに対して、最も投票人数が多かった人物は、女子プロテニス選手の大坂なおみ選手でした。今年の「全米オープン」で見事に優勝を果たした大坂なおみ選手に対し、観客からは表彰式で浴びせられたブーイングが起こりましたが、怒りを表すのではなく、逆に元世界女王のセレーナ選手に対して感謝とお辞儀をするなどまさに神対応でした。その後、独特なキャラクターが世間から注目を浴び、流行語大賞にノミネートされるなど、名実ともに2018年の顔となりました。
大坂なおみ選手に投票をした方は、このやりとりを見て「孤独な戦いの中、感情のコントロールをすることは簡単なことではない。ましてや あの観衆のなかだと 尚更のこと大変だと思う」(40代/女性)、「感情のコントロールが苦手とされていた大阪選手が、あのブーイングの中冷静に自分の気持ちを表明できたことは素晴らしかったと思うので」(50代/女性)といった意見が挙がりました。大勢からのブーイングという場面で怒りの感情をうまくコントロールし、冷静に素直なコメントをするなど、アンガーマネジメントの代表的な例となりました。尚、アンガーマネジメントファシリテーターから、今年最も上手に怒りの感情をコントロールした人物として選ばれた大阪なおみ選手を、日本アンガーマネジメント協会認定の「アンガーマネジメント大賞2018」に選出させていただきました。

 次に投票数が多かった人物は日本大学アメリカンフットボール部部員の宮川泰介氏。監督の指示のもと相手選手に悪質なタックルをしたとして非難されたが、その非難を乗り越え、また監督などへの怒りは見せることなく記者会見では真摯な姿勢を見せたことが評価の対象となりました。回答投票者からも「1学生にとって、力のある大人たちに対し、冷静に自分の状況、非について語ったことは、よほど感情コントロールできていないと出来ないことだと思いました」(60代/女性)、「若くして堂々と誠実に毅然とした態度で会見に望む姿は、やってしまった悪質プレーを忘れさせるほど多くの人の共感を生んだと思います。悪質プレーをする以前にこの態度を示せるのがより良かったのは間違いないとは思いますが、プレー後の振る舞いとしては素晴らしかったと思います」(40代/男性)というコメントが寄せられました。

《日本アンガーマネジメント協会 代表理事 安藤俊介の考察》 

 日本人として初めてグランドスラムを制したことで大変に注目を浴びた大阪なおみ選手がアンガーマネジメント大賞2018に選ばれました。象徴的だったのは、対戦相手のセリーナ・ウィリアムズ選手が試合中に怒りの感情のコントロールができずに自滅とも言える振る舞いをしていました。女王であり、憧れの選手であったウィリアムズ選手のそのような振る舞いを見れば、怒りを感じ得ずにはいられないはずだったでしょうが、より大阪選手の冷静さ、プレッシャーへの対応能力などが高く評価されたことと考えられます。
 日大のアメフト問題は日本に昔からある体育会の負の遺産を象徴するような出来事でした。
その中で一番若く、そして一番苦しいはずの宮川選手自ら会見を開き、世間に釈明をしたこと点が高く評価されたのでしょう。

② 怒りの感情をコントロールできずに、失敗してしまったと思う有名人は誰ですか? (n=252)
第1位セレーナ・ウィリアムズ選手(女子プロテニス選手)(100)人

怒りの感情をコントロールできずに、失敗してしまったと思う有名人 人数
第1位 セレーナ・ウィリアムズ選手(女子プロテニス選手) 100人
第2位 山根明氏(元日本ボクシング協会終身会長) 40人
第3位 貴乃花光司氏(元貴乃花親方) 36人
第4位 沢田研二氏(歌手) 35人
第5位 今村岳司氏(元兵庫県西宮市長) 12人
第6位 栄和人氏(レスリング日本代表 元監督) 11人
第7位 麻生太郎氏(財務相) 10人
第8位 土田晃之氏(お笑い芸人) 6人
第9位 ヴァイッド・ハリルホジッチ氏(元サッカー日本代表監督) 1人
第10位 ジョニーデップ氏(ハリウッド俳優) 1人

(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会調べ)

「怒りの感情をコントロールできずに、失敗してしまったと思う有名人」第1位として選ばれたのは、女子プロテニス選手のセレーナ・ウィリアムズ選手。全米オープンテニスの女子シングルス決勝で、大坂なおみ選手と戦ったセレーナ選手は、主審を「うそつきで盗人」と呼ぶなど試合中激高。コーチングの違反をとられると、さらにラケットを壊すなどしてペナルティーを受け、その結果優勝を逃したことが選出のきっかけとなり、「アンガーマネジメント大賞2018」の大坂なおみ選手とは対となる結果となりました。同選手に対し回答者からは「実際にテレビで試合を観戦してましたが、激怒する姿を見て 怒りがパワーに変えられらたよかったのに、、、と率直に感じたから」(40代/女性)、「感情をコントロールできないと、自分自身が一番不利益を被る、というわかりやすい例でした」(60代/女性)など、怒りの感情で我を失い、結果、優勝も逃してしまったことが印象的だったとのコメントが集まりました。

本項目で次に投票数が多かった人物は元日本ボクシング協会終身会長の山根明氏。審判に対して、八百長判定を事実上強要し、意に沿わない判定をしたレフェリーに対し、「おまえのレフェリングがおかしい」「われ、コラ。アホ、ボケ、カス」など暴言を吐いたことが明らかに。結果終身会長を辞任することとなりました。回答者からは「会長の地位を利用し公正であるべき審判にまで影響を与えようとしたから」(40代/女性)、「あまりにわがままで幼稚。アンガーマネジメント講座に参加してほしい」(50代/女性)といった感想が集まりました。

《日本アンガーマネジメント協会 代表理事 安藤俊介の考察》 

 アンガーマネジメント大賞2018を受賞した大阪なおみ選手とはまさに対照的であり、怒りによりパフォーマンスを著しく落とし、自滅とも言える負け方をしたことは大きな驚きでした。世界最高峰の選手でも怒りにとらわれてしまうと、いかに自分をコントロールすることが難しいかをまざまざと見せつける結果になりました。
 ロジャー・フェデラー選手のようにアンガーマネジメントを受講し、世界王者に駆け上った選手もいます。セリーナ・ウィリアムズ選手にもぜひアンガーマネジメントを受講していただき、次の高みを目指して欲しいと考えます。
 山根明氏も日大のアメフト部のように日本の体育会の悪しき象徴のような言動をしていた点がこのような結果に結びついたのでしょう。これまではそのようなやり方で通用してきたのかもしれませんが、今の時代、高圧的に脅したり、圧力をかけるようなやり方は社会として受け入れられないというメッセージが投票者の意図の中にこめられていることと思います。

③ 今年一番怒りを感じたニュース・出来事は何ですか?(n=252)
第1位 日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題(75)人

今年一番怒りを感じたニュース・出来事 人数
第1位 日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題 75人
第2位 東海道新幹線のぞみ殺人事件で殺人鬼に襲われて男性死亡 40人
第3位 はれのひ(横浜振袖レンタル業者)が夜逃げ、成人の日に連絡とれず 39人
第4位 相次ぐロードレイジ(あおり運転)事件 37人
第5位 LGBT議員(杉田議員)「生産性がない」発言 27人
第6位 渋谷ハロウィン、今年も暴徒化 9人
第6位 「何すわってんねん」はき違えた正義感、優先席巡り凶行 9人
第8位 元カヌー・スプリント男子の鈴木康大選手、ライバルの飲料に禁止薬物を混入 7人
第9位 飲酒ひき逃げ事故で起訴 元モーニング娘。吉澤ひとみ被告 5人
第10位 年金受給者のデータ入力業務、中国業者に再委託 4人

(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会調べ)

様々な事件、ニュースが報道された2018年、アンガーマネジメントファシリテーターが選ぶ、「今年一番怒りを感じたニュース・出来事」は、「日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題」でした。この問題の後、同じ日大チアリーダー部の監督らによるパワハラが発覚し、暴言などを受けて、生徒から被害届が出されるなど、スポーツ界でパワハラ問題が次々と噴出し始める皮切りとなりました。このニュースが選ばれた理由として、回答者は「暴力を指導と言い換え自身の好みやワガママのために数え切れないほどの人に甚大な被害をもたらした」(30代/男性)、「日本のスポーツ界のパワハラ体質の問題が次々と明らかになる端緒をつけた」(50代/男性)と、日本のスポーツ界における指導制度への不信感などが明るみになりました。

「東海道新幹線のぞみ殺人事件で殺人鬼に襲われて男性死亡」は、第2位になりました。突然現れた殺人鬼が斧を振り回し、次々と乗客を襲っていくという信じられない状況下で発生した。殺人鬼は斧で女性2人に襲いかかり負傷させ、1人の30代男性を心配停止状態にし、殺害しました。回答者は「日々利用する新幹線という閉鎖的な逃げる場所のない空間での犯行には怒りしかない」(50代/女性)など、命の危険を感じさせる報道への不安と怒りの声が多く集まりました。

第3位に選ばれたニュースは「はれのひ(横浜振袖レンタル業者)が夜逃げ、成人の日に連絡取れず」でした。はれのひ(横浜振袖レンタル業者)が夜逃げし、成人の日当日に連絡が取れず。加えてフリマアプリのメルカリに晴れ着が大量に出品されており、「自分の立場だけを考え、一生に一度の晴れ舞台を台無しにしたため」(40代/女性)「一生に一度しかない成人式当日の悲惨なニュース。娘は昨年成人式だったので、自分の娘だったらと思うと怒りを隠せなかった」など、誰もが経験する可能性のある一生に一度の晴れ舞台に起きた惨事に対して、怒りの声が挙がりました。

《日本アンガーマネジメント協会 代表理事 安藤俊介の考察》 

 今年は日大のアメフト問題をきっかけに、ボクシング、レスリング等、様々なスポーツの世界でパワハラ問題が噴出した一年でした。スポーツ業界全体のパワハラ問題の象徴的な出来事として日大アメフト問題が選ばれたと考えられます。
体育会といえば、縦社会、上の言うことは絶対など、就職活動では有利に働くような人材が育成されるようなイメージがありましたが、社会としてもうそういうものは受け入れられないという強いメッセージが感じられます。
通り魔事件というのは、テロ同様、無差別になんの罪のない人達を巻き込むという理不尽さがあります。今回の事件でも助けようとした人を襲ったこと、周りの人たちが助けなかったことに対する怒りなどもありましたが、実際問題、その場面で助けに入ることは非常に難しい決断とはなるでしょう。

【調査結果】
④上手に怒りの感情をコントロール・対応したと思う有名人は誰ですか?(n=252)第1位「平成最後のアンガーマネジメント大賞」 三浦知良選手(プロサッカー選手)(118)人

《平成まとめ》上手に怒りの感情をコントロールし、対応した有名人 人数
第1位 《2015年 アンガーマネジメント大賞》 三浦知良選手(プロサッカー選手) 118人
第2位 《2017年 アンガーマネジメント大賞》 松山千春氏(歌手・俳優) 91人
第3位 《2016年 アンガーマネジメント大賞》 三浦寛子氏(タレント) 43人

(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会調べ)

2015年4月、野球評論家の張本勲氏がTV番組で、48歳の三浦選手に「もうお辞めなさい。若い選手に席を譲らないと」とコメント。これに対し三浦選手は「光栄です。激励だと思います」と返答。“引退勧告”とも解釈できる言葉を受けても、穏やかに対応したことが選出の理由となりました。
「表面的な感情を表に出さず、プラス思考の捉え方をしたから」(50代/男性)「心の中では思うこともあったかと思いますが、それを切り替え、この言葉と対応が出せるのは素晴らしいと思った」(20代/男性)といった意見が集まりました。尚、アンガーマネジメントファシリテーターから、平成で最も上手に怒りの感情をコントロールした人物として選ばれた
三浦知良選手を、日本アンガーマネジメント協会認定の「平成最後のアンガーマネジメント大賞」に選出させていただきました。

【調査結果】
⑤怒りの感情をコントロールできずに、失敗してしまったと思う有名人は誰ですか?(n=252)
第1位 豊田真由子氏(国会議員)(179)人

《平成まとめ》上手に怒りの感情をコントロールできなかった有名人 人数
第1位 《2017年 できなかった有名人1位》 豊田真由子氏(国会議員) 179人
第2位 《2015年 できなかった有名人1位》 「ナッツ姫」 チョ・ヒョナ氏 60人
第3位 《2016年 できなかった有名人1位》 宮地佑紀生氏(タレント) 13人

(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会調べ)

元政策秘書に対し、「このハゲーーー!」と運転中に罵倒し暴力をふるうなど、怒りの感情を露わにした証拠テープが公開、報道され、書類送検の後、離党することとなりました。
同氏に対し、回答者からは「立場に対する責任感の欠如がひどい」(50代/女性)「怒りの特徴、アンガーマネジメントがなぜ必要なのかがわかる事例となったため」(30代/男性)といったコメントが集まりました。

《日本アンガーマネジメント協会 代表理事 安藤俊介の考察》 

 50歳近くになっても現役を続けている三浦知良選手はそのことだけでも称賛に値しますが、日本の悪しき体育会の慣習で言えば、大先輩であり、口答えするなど到底できなそうな張本氏からのコメントについて、嫌味なく非常にスムースに切り替えした点は、会社の中で上司からの皮肉、叱責などに悩むビジネスパーソン達に高く評価をされたのではないでしょうか。
 豊田真由子氏の「このハゲーーー!」という罵倒の声は一年以上経った今でも明瞭に耳に残っています。非常に特徴的な怒り方だったこともあり、人々の記憶に残りやすかったのでしょう。今の時代、どこで何を録音、録画されているかわかりません。言動には、特に怒る時はくれぐれも注意したいものです。

【調査結果】
⑥平成で1番怒りを感じたニュース・出来事の第1位はなんですか?(n=252)
第1位 東名高速の追い越し車線事故(あおり運転/ロードレイジ)(164)人

《平成まとめ》一番怒りを感じたニュース・出来事 人数
第1位 《2017年 怒りを感じたニュース1位》 東名高速の追い越し車線事故(あおり運転/ロードレイジ) 164人
第2位 《2015年 怒りを感じたニュース1位》 幼児、少年少女関連事件 64人
第3位 《2016年 怒りを感じたニュース1位》 運転中のポケモンGOで命を落とす交通事故 24人

(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会調べ)

神奈川県大井町の東名高速道路で、ワゴン車の進路をふさいで追い越し車線に無理やり停車させ、トラックが追突する事故を引き起こし、この事故で、嘉久さんと妻の友香さん(39)が死亡、高校1年と小学6年の姉妹がけがをしました。これに対し、回答者は「あおり運転に遭ったことがあるので、恐怖を感じる。巻き込まれたくない」(40代/女性)「あまりにも自分勝手な行動で、直接関わっていなかった人を加害者にしてしまう事態を巻き起こしたので」(40代/男性)
など、いまだ連日報道が止まらない、おあり運転に関する話題に恐怖と怒りを覚える声が多く挙がりました。

また、日本アンガーマネジメント協会では、この事件をきっかけに大きな社会問題となった、ロードレイジ(自動車走行中における、あおり運転や進路妨害などをするドライバーや報復行動全般)の撲滅を目的としたプロジェクトを2018年1月より実施してまいりました。現在も、あおり運転に関連する事件、事故が絶えない中、日本アンガーマネジメント協会は、新たに2019年に向けて『新・あおり運転(ロードレイジ)撲滅プロジェクト』を発表しました。

「全国からロードレイジをなくしたい!」という日本アンガーマネジメント協会の思いを実現するため、運転する方はもちろん、運転しない方にも手に取っていただける、運転におけるアンガーマネジメントのポイントをまとめた啓発グッズの作成、
海老名サービスエリアでの啓発グッズ無料配布などを実施してまいりました。
『新・あおり運転(ロードレイジ)撲滅プロジェクト』では、あおり運転撲滅の輪をさらに広げるため、啓発グッズに使用しているキャラクターデザイン(あおり運転とめるくん)とあおり運転を防ぐテクニックを掲載したチラシを誰もがダウンロードし、様々な用途で使用できるよう、フリー素材として提供することとなりました。(12月中旬~予定)これにより、より多くの方々があおり運転撲滅に対して関心を持ち、何かの形で発信されていくことで、世の中から一つでもあおり運転が無くなることを目指しています。(公式サイトURL: https://www.angermanagement.co.jp/aori

《日本アンガーマネジメント協会 代表理事 安藤俊介の考察》 

 あおり運転、危険運転などを含むいわゆるロードレイジ問題はアメリカでは40年も前から社会問題として考えられていますが、日本では昨年の東名高速の事件をきっかけに認知が広まり、よく見れば自分の生活にもある身近な問題として認識する人が増えた1年だったのではないでしょうか。12月3日より東名高速の事件の裁判が始まったこともあり、社会的に注目度が高くなっていた点も選出された理由になったと考えられます。


【アンガーマネジメントとは】

 アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで開発された、怒りの感情と上手に付き合う(マネジメントする)ための心理トレーニングです。アンガーマネジメントを学ぶことによって、自分自身の怒りを理解し、感情のコントロールをしたり、ポジティブな考えを生み出せ、また周囲との良好な人間関係を成立させることができます。プログラム開発当初は、DVや差別、軽犯罪者に対する矯正プログラムとしてカリフォルニア州を中心に確立され、現在では全米の教育機関や企業でも広く導入され、教育・職場環境の改善、学習・業務パフォーマンスの向上を目的に、長年活用されています。
 
 近年アンガーマネジメントは、日本をはじめ世界でもその重要性を認められ、公的機関や企業、教育現場、医療現場などで導入が始まっています。日本でも、世界最大組織であるナショナルアンガーマネジメント協会(アメリカ)の日本支部として、2011年6月に一般社団法人日本アンガーマネジメント協会を設立させ、文部科学省も重要視する「アンガーマネジメント」を社会に浸透させています。

【一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会】

法人名:一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会
代表者:代表理事 安藤 俊介
所在地:〒108-0023 東京都港区芝浦3-14-8 芝浦ワンハンドレッドビル6階

安藤 俊介(あんどう しゅんすけ)


怒りの感情コントロール専門家。怒りの感情と上手に付き合う(マネジメントする)ための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の日本の第一人者。
ニューヨークで働いていた際、イライラ、怒りに振り回される自分に苦しんでいたところ、「アンガーマネジメント」に出会う。怒りを理解し、うまくマネジメントする手法を実践するうちに、自分自身が生まれ変わったことを実感する。世界で15人しかいない最高ランクのトレーニングプロフェッショナルにアメリカ人以外では唯一登録されている。


【厚生労働省「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」委員に就任】

2017年4月、厚生労働省は、職場のパワーハラスメント防止対策を強化するための方策の検討を行うため、有識者や労使関係者からなる「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」の設置を発表し、当会代表理事の安藤も委員に就任した。

【メディア出演実績】

TV :NHK「おはよう日本」、日本テレビ「NEWS ZERO」、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」等
新聞:朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、産経新聞、日刊スポーツ、夕刊フジ 等
雑誌:AERA、PRESIDENT、クーリエジャポン、anan、MORE、BAILA、美的、UOMO、GQ JAPAN、ALBA 等

【アンガーマネジメント 導入実績】

企業:三井物産株式会社、野村証券株式会社、スカイマーク株式会社、SMBCコンサルティング株式会社 等
教育関連:東京都教育委員会、神奈川県教育委員会、奈良県教育委員会、埼玉県立飯能南高校 等
アスリート:片山晋呉(プロゴルファー)、前園真聖(元プロサッカー選手) 等

【講座概要】(https://www.angermanagement.co.jp/seminar

■講座:
アンガーマネジメント「入門講座」、「ファシリテーター養成講座」、
「キッズインストラクター養成講座」、「叱り方入門講座」、「怒らない体操講座」など

■費用:3,240円(税込)~
■受講条件:講座の種類によって異なる

※アンガーマネジメントティーンインストラクター養成講座
12歳~18歳の子供たちにカードゲーム「アンガーマネジメントゲーム for teen」を使用し、「アンガーマネジメントティーン講座」を開催するための資格取得講座です。