プレスリリース

2019年09月12日

2020年4月のハラスメント規正法の施行を前に、全国420人を対象とした“怒りとパワハラの関係性”の調査結果を発表!


2020年4月のハラスメント規正法の施行
を前に、全国420人を対象とした“怒りとパワハラの関係性”の調査結果を発表!
約75%が「自分はパワハラをしていない」と回答する一方、
全体の60%以上が“パワハラ予備軍”だった!?
また、パワハラ加害者の85%がイライラしていることが判明!

怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の普及を行う、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(所在地:東京都港区、代表理事:安藤俊介)は、2020年4月からのハラスメント規制法※1の施行に先駆け、企業に勤務する
20代~60代の男女420名を対象に“怒りとパワハラの関係性“についてアンケート調査を実施しました。

2019年6月に発表された厚生労働省の調査(2018年度「個別労働紛争解決制度」)によると、パワーハラスメント(以下:パワハラ)※2に関する相談件数は前年度比14.9%増の8万2797件と過去最高を更新。パワハラに関する事件も相次ぐ中、「怒りとパワハラには密接な関係があり、怒りの感情をコントロールする“アンガーマネジメント”によって、パワハラを抑制できるのではないか」という仮説を立てて検証しました。

※1「ハラスメント規制法」・・・パワーハラスメントについて規定し、 その防止をするための措置を講じる義務を企業に課した法律
※2「パワハラ」・・・優越的な関係に基づき、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、労働者の就業環境を害すること(身体的もしくは精神的な苦痛を与えること)

詳しい調査結果に関しましては、下記をご覧ください。

■調査結果まとめ■

①約75%が「自分はパワハラをしていない」と回答する一方、全体の60%以上が“パワハラ予備軍”だった!
②パワハラの被害者・目撃者は半数以上!パワハラ加害者の内、約85%がイライラしていたことが判明!
③職場のパワハラを無くせないと思う人は70%以上!最大の理由は「人は感情のコントロールが苦手だから」

調査結果①:
約75%が「自分はパワハラをしていない」と回答する一方、全体の60%以上が“パワハラ予備軍”だった!

「自分のしたことがパワハラに該当するかもしれないと思ったことはありますか?」という質問に対し、全体の74.3%が「ない」と回答。
一方、「職場内における言動で、下記の中(例:「嫌いな人、反りが合わない人とは口をきかないことがある」、「モノにあたったことがある」等、これら全てがパワハラになる可能性がある言動)に該当するようなことをしたことがありますか?」という質問に対し、「したことがない」が37.6%という結果に。つまり、その他60%以上がパワハラに該当する可能性のある言動をしていることが判明しました。
このことから自身がパワハラをしている、してしまう可能性があるという自覚がない “パワハラ予備軍”が60%以上いることが判明しました。

あなたは自分がしたことが、パワハラに該当すると思ったことがありますか?(単一回答) 人数
第1位 ない 74.3%
第2位 ある 24.3%
第3位 その他 1.4%
あなたは職場内における言動で、下記の中に該当するようなことをしたことがありますか?(複数回答) 人数
第1位 嫌いな人、反りが合わない人とは口をきかないことがある 38.1%
第2位 上記に該当するようなことはしたことがない 37.6%
第3位 モノに当たったことがある 24.8%
第4位 怒ったり、叱ったりする際、相手に言い過ぎたかなと思ったことがある 20.2%
第5位 同僚・部下などのプライベートを詮索したことがある 5.5%
第6位 多いかなと思えるような量の仕事を頼んだことがある 5.0%
第7位 相手の役割とは関係のない雑務を頼んだことがある 3.8%
第8位 その他 0.2%


調査結果②:
パワハラの被害者・目撃者は半数以上!パワハラ加害者の内、約85%がイライラしていたことが判明!

「職場内でパワハラの現場を目撃、または自身が被害に遭ったことがありますか?」という質問に対し、43.3%が「ない」と回答。
つまり、残りの半数以上が「パワハラを目撃、または被害に遭った」経験があり、職場内でのパワハラが蔓延していることが判明しました。
また、その際「パワハラをしていた方は、何かにイライラしていたと思いますか?」という質問に対して、約85%が「イライラしていたと思う」と回答。イライラや怒りの感情がパワハラを引き起こしている一因である可能性が今回の調査で判明しました。

職場内でパワハラの現場を目撃、または自身が被害に遭ったことがありますか?(複数回答) 人数
第1位 ない 43.3%
第2位 目撃したことがある 43.1%
第3位 自身が被害に遭ったことがある 25.2%
第3位 その他 1.2%
パワハラを「目撃したことがある」または「自身が被害に遭ったことがある」と回答した方に質問です。その時、パワハラをしていた方は何かにイライラしていたと思いますか?(単一回答) 人数
第1位 イライラしてたと思う 84.6%
第2位 イライラしていないと思う 14.5%
第3位 その他 0.9%


調査結果③:
職場のパワハラを無くせないと思う人は70%以上!最大の理由は「人は感情のコントロールが苦手だから」

「職場からパワハラを無くすことができると思いますか?」という質問に対し、全体の71.4%が「思わない」と回答。特に、20代は80%以上が「思わない」と回答する一方、50代・60代は60%台に留まり、若年者と高齢者のパワハラに対する捉え方に大きな乖離があることが判明しました。
また、「パワハラを無くすことができると思わない」理由は「人は感情のコントロールが苦手だから」が第1位と最も多く、怒りの感情をコントロールする“アンガーマネジメント”によって、パワハラを抑制できる可能性があることが証明されました。

職場からパワーハラスメントを無くすことはできると思いますか?(単一回答) 人数
第1位 思わない 71.4%
第2位 思う 28.6%
なぜパワハラを無くすことができないと思いますか?(複数回答) 人数
第1位 人は感情のコントロールが苦手だから 52.3%
第2位 パワハラを受けてきた人が上司に多く、それが連鎖しているから 36.7%
第3位 パワハラはある程度は仕方がないものと思っている人が多いから 23.3%
第4位 その他 14.7%
第5位 誰に相談してよいのかわからないから 12.3%


《日本アンガーマネジメント協会 代表理事 安藤俊介の考察》

 
調査結果①
これだけパワハラの報告件数が増加している中で、パワハラをしたことがないではなく、パワハラに該当するかもしれないという可能性についても「ない」と回答している人が約75%です。職場での言動の第2位以外の言動は、実は厚生労働省が明示しているパワハラの6類型につながるものです。60%の人がこれらの6類型に該当する可能性のある言動をしているということです。これら2つの結果から見ても、職場でのパワハラ防止がいかに難しいのかを如実に物語っています。
調査結果②
パワハラの報告件数が増加している現在、被害にあったり、目撃したことがある人が70%近くいることは当然の結果と考えられます。そして、パワハラ加害者がイライラしていたと思う人が実に85%もいて、パワハラと怒り、イライラの感情が非常に密接に関係していることが伺えます。
調査結果③
パワハラ撲滅について悲観的に考えている人が70%もいることは非常に残念です。その一方で、パワハラ撲滅の大きな突破口として感情のコントロール、中でもイライラ、怒りの感情のコントロールができることで、職場からパワハラをなくすことができると考えている人が最も多いのは、いかに今の職場がギスギスしていて、不機嫌な職場になっていることの証左でしょう。

【調査概要】
■サンプル数:420名/■調査対象者:企業に勤務する20代~60代の男女/■調査方法:インターネットリサーチ
■調査時期:2019年8月22日~8月23日
■調査内容:「パワーハラスメントと怒りの関係」について単一回答、複数回答にて調査し、分析

【アンガーマネジメントとは】

 アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで開発された、怒りの感情と上手に付き合う(マネジメントする)ための心理トレーニングです。アンガーマネジメントを学ぶことによって、自分自身の怒りを理解し、感情のコントロールをしたり、ポジティブな考えを生み出せ、また周囲との良好な人間関係を成立させることができます。プログラム開発当初は、DVや差別、軽犯罪者に対する矯正プログラムとしてカリフォルニア州を中心に確立され、現在では全米の教育機関や企業でも広く導入され、教育・職場環境の改善、学習・業務パフォーマンスの向上を目的に、長年活用されています。
 近年アンガーマネジメントは、日本をはじめ世界でもその重要性を認められ、公的機関や企業、教育現場、医療現場などで導入が始まっています。日本でも、世界最大組織であるナショナルアンガーマネジメント協会(アメリカ)の日本支部として、2011年6月に一般社団法人日本アンガーマネジメント協会を設立させ、文部科学省も重要視する「アンガーマネジメント」を社会に浸透させています。
 

【一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会】

法人名:一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会
代表者:代表理事 安藤 俊介
所在地:〒108-0023 東京都港区芝浦3-14-8 芝浦ワンハンドレッドビル6階

安藤 俊介(あんどう しゅんすけ)


怒りの感情コントロール専門家。怒りの感情と上手に付き合う(マネジメントする)ための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の日本の第一人者。
ニューヨークで働いていた際、イライラ、怒りに振り回される自分に苦しんでいたところ、「アンガーマネジメント」に出会う。怒りを理解し、うまくマネジメントする手法を実践するうちに、自分自身が生まれ変わったことを実感する。世界で15人しかいない最高ランクのトレーニングプロフェッショナルにアメリカ人以外では唯一登録されている。


【厚生労働省「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」委員に就任】

2017年4月、厚生労働省は、職場のパワーハラスメント防止対策を強化するための方策の検討を行うため、有識者や労使関係者からなる「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」の設置を発表し、当会代表理事の安藤も委員に就任した。

「職場のパワーハラスメント防止対策」は、働く方々が健康で意欲を持って働く上で重要な課題で、今年3月に決定した「働き方改革実行計画」(働き方改革実現会議決定)においても、「労働者が健康に働くための職場環境の整備に必要なことは、労働時間管理の厳格化だけではない。上司や同僚との良好な人間関係づくりを併せて推進する。このため、職場のパワーハラスメント防止を強化するため、政府は労使関係者を交えた場で対策の検討を行う」とされたことを踏まえ、厚生労働省はこの検討会を設置することになった。

【メディア出演実績】

TV :NHK「おはよう日本」、日本テレビ「NEWS ZERO」、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」等
新聞:朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、産経新聞、日刊スポーツ、夕刊フジ 等
雑誌:AERA、PRESIDENT、クーリエジャポン、anan、MORE、BAILA、美的、UOMO、GQ JAPAN、ALBA 等

【アンガーマネジメント 導入実績】

企業:三井物産株式会社、野村証券株式会社、スカイマーク株式会社、SMBCコンサルティング株式会社 等
教育関連:東京都教育委員会、神奈川県教育委員会、奈良県教育委員会、埼玉県立飯能南高校 等
アスリート:片山晋呉(プロゴルファー)、前園真聖(元プロサッカー選手) 等

【講座概要】(https://www.angermanagement.co.jp/seminar

■講座:
アンガーマネジメント入門講座、アンガーマネジメントファシリテーター養成講座、
アンガーマネジメントキッズインストラクター養成講座、アンガーマネジメントティーンインストラクター養成講座、
アンガーマネジメント診断講座、アンガーマネジメント応用講座、アンガーマネジメント叱り方入門講座、
アンガーマネジメント手帳活用講座など
■費用:3,000円(税抜)~
■受講条件:講座の種類によって異なる