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■アンガーマネジメント×職業
アンガーマネジメント×弁護士

■1)あなたの仕事内容について教えてください。
弁護士になって18年、アンガーマネジメントファシリテーターになって5年目になります。普段は、弁護士として民事・刑事の裁判にかかわる仕事をしています。


(2018年12月14日 ノーモア・ヒバクシャ原爆症認定訴訟 東京高裁判決の日に撮影)

■2)あなたの業界あるあるイライラ事例を教えてください。
刑事事件で担当する被告人の方々は、ほぼみなさん「イライラ」が原因で事件を起こしてしまった方たち。例えば「何度言ってもゲームをやめず、勉強もしない」と高校生の息子に刃物を向けてしまった父親の事件を担当することもあります。「親の言うことには子どもは黙って従うべきだ。自分は、親には一切反抗しなかった」といった、強い「べき」を持っている被告人に対応することも少なくありません。

■3)以前(アンガーマネジメントを学ぶ前)はどのように対処していましたか?
以前から、刑事弁護人として接見室で裁判の準備のために担当する被告人に「同じ場面に遭遇したら、また同じ行動をとりますか?」という質問を投げかけ、被告人本人に具体的な行動を考えてもらう作業をしてきました。
被告人が「反省しています。もう同じ過ちを繰り返しません」だけを繰り返していても、裁判官の信頼は勝ち取れません。本人が真剣に考える中で、説得的な次の行動パターンが生まれ、裁判官にも伝わるのです。

■4)アンガーマネジメントファシリテーターになってから、どのように活用していますか?
アンガーマネジメントを学び、この刑事事件のための準備が、アンガーマネジメントの3つのキーワードのひとつ「分かれ道」(行動のコントロール)の作業なのだということに気づきました。それ以降は6秒(衝動のコントロール)、三重丸(思考のコントロール)も意識し、被告人に問題となった感情と行動に向き合ってもらう働きかけを行っています。「もっと早くアンガーマネジメントを知りたかった」という被告人も少なくありません。

■5)仕事において、どのような変化がありましたか?
3つのキーワードを私自身が意識することで、被告人が「あの行動で得ようとしたものは、本当に必要なものだったのか?」「あの行動は、自分の望む方向へ相手を向けさせる有効な方法だったのか?」といったポイントに、より真剣に向き合ってもらえるようになりました。その結果、「次は違う選択をするのだ」と被告人が考えた過程を、被告人自身が具体的に言語化できるようになり、その状況が裁判官に伝わりやすくなったと思います。

■6)メッセージ
アメリカでは刑事判決に付随してアンガーマネジメント教室の受講を義務付けるアンガーマネジメント命令の制度があり、映画『アングリーバード』にも登場します。日本でも制度化される日がやってくるかもしれません。

■CGアニメーション映画『アングリーバード』
(協会プレスリリース 2016.7.7)
https://www.angermanagement.co.jp/press_release/pr20160707

・邦題:アングリーバード
・原題:The Angry Birds Movie
・日本公開:2016年10月1日
・全米公開:2016年5月20日
・監督:ファーガル・ライリー、クレイ・ケイティス
・製作:ジョン・コーエン『怪盗グルーの月泥棒3D』
・日本語吹替え版声優:坂上忍(レッド役)、りんか&あんな(ベイビーバード役)
・公式HP:http://www.angrybird-movie.jp/
・配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント