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怒って物に当たると逆効果

2012年03月30日

頭に血が上って、つい手元にある物を投げたり壊したりした事はありませんか?怒りを感情が赴くままに表現し、ストレス発散をするアプローチは『プライマルセラピー』と呼ばれます(ちなみに「プライマル」とは「原始的な」という意味です)。しかしこの手法を実践すると、むしろ怒りの感情が強くなってしまうのです。今回はその理由をお伝えします。

プライマル(スクリーム)セラピーは、「胸に怒りを溜め込むのではなく吐き出す事で、幼少期のトラウマや感情の痛みを軽減する」というアプローチで、多くの映画などでもセラピストが「怒りを感じたら枕を好きなだけパンチしなさい」等アドバイスする場面が描かれています。

映画だけではなくいくつかの自己啓発本でも、「有害な怒りを溜め込むなら、憎たらしい相手の顔を想像して枕やバッグをパンチして、叫んだり罵ったりすればいい」と書かれています。ジョージアやアトランタには、このプライマルセラピーを専門的に行う施設もあり、スペインではハンマーを持って廃車や家具を壊す「ディストラクトセラピー」も行われているそうです。

一見、物を壊して叫べば気分的にすっきりするような気もしますが、実はこれがアンガーマネジメント的には全く逆効果なのです。記事では「40年以上にも渡る研究から、このカタルシス的なアプローチは間違い」と紹介されています。

怒りを直接的にその人や、間接的に物に当たる事で表現しようとすると自身の攻撃性がヒートアップします。ある研究では、被験者に釘を打たせ、そこに被験者を馬鹿にするような人を登場させると、余計にその人を嫌いになる結果が出ているそうです。他にも血が飛び散る暗殺シーンがある暴力的なゲームは、その人の生活全体において攻撃性が増してしまいます。

つまり物に当たり、暴言を叫び続けても怒りを鎮められない所か、逆に怒りの感情を強めてしまうのです。怒りを表現するのが効果的なのは、怒りの根本原因を建設的に解決できる手法と組み合わされた時だけです。

デートに相手が遅れた時も、相手を罵倒するのではなく「遅れたのは理由があったからでしょ。でも遅刻されると私の気持ちが傷付くの」と冷静に自分の気持ちを主張した方が、よほど問題解決につながります。

物に当たっている間は、自分をその怒りの対象に釘付けにしているのと同じです。何かに「バカヤロー!」と叫び、ドアをバタンと閉める前に、この事をぜひ心に留めておきましょう!

(英文記事URL)
http://www.psychologicalscience.org/media/myths/myth_30.cfm