ほっと・AM
こんなときに役に立つAMテクニック
介護職にこそアンガーマネジメント!
こんにちは。協会ブログチームの澤田です。
もともと介護福祉士として認知症介護にたずさわっていた経験から、
今回は介護とアンガーマネジメントについて書かせて頂きました。
高齢者虐待が過去最多!の連続
高齢者虐待が毎年のように、過去最多と報じられています。これは施設にいる高齢者だけではなくお家で暮らす高齢者にも当てはまります。介護職をされている方は、高齢者のおじいちゃん、おばあちゃんの役に立ちたい、そんな想いをもった心優しい方が多いと感じています。そして在宅介護の場合、介護をする対象は大切な家族になるはずです。なのに、この高齢者虐待件数は増加しています。虐待には、怒りの感情が大きく関係しています。どうしてこのようなことが起きるのでしょうか?
怒りが生まれやすい条件が、3拍子揃っている!
怒りは突然理由もなく、空から降ってくるものではなく、条件が揃って生まれます。介護をする人には、怒りが生まれやすい条件、そしてそれが虐待や不適切なケアにつながる条件が揃っています。その条件というのが以下の3つです。
1) 思い通りにならないことの連続!
怒りは自分の心の中にある「価値観」「理想」が目の前で裏切られたときに生まれやすい感情です。
思い通りに物事が進んでいたり、周りの人も動いてくれていれば、その理想の状態が裏切られることもなく、イライラや怒りも生まれません。介護の現場はその真逆。思い通りにならないこと、予想外のことの連続です。常に怒りが生まれやすい環境でもあると言えます。
2) 心身ともにマイナスの状態になりやすい!
怒りの感情の下には、不安や心配、恐怖、焦り、等といった「マイナスの感情」が隠れています。
マイナスの感情が心にたまると、怒りは生まれやすくなり、怒りの大きさにも影響を与えます。
そして疲れや、体の痛み、睡眠不足、等といった体の「マイナスの状態」も怒りを生む条件のひとつです。介護現場は多忙のため、職員さんの「焦り」も生まれやすいです、転倒やケガをさせられないという「不安」「心配」、そして職場の人間関係が良好でなければ「不満」もたまりやすいでしょう。高齢者の移乗や入浴介助など、腰を痛めやすい動きも多く、痛みや疲れといった、体のマイナスの状態にもなりやすいのです。
3) 身近な対象にほど、怒りは強くなる!
これは怒りの性質の1つです。知らない誰かに向く怒りと、家族や職場の仲間のようにほぼ毎日顔を合わせるような身近な人には、「期待」や「甘え」も大きく、それが裏切られたときに、強い怒りが生まれます。介護施設での利用者さんも、顔を合わせる期間が長くなると、どんどん身近な存在に感じられてきます。それはメリットもありますが、身近な存在になってきたからこそ、怒りの感情が強くなることもあります。
この3つの要素を見て頂くだけでも、介護には怒りが生まれやすいとお分かりいただけるのではないでしょうか?それでも、決して虐待や、不適切な声かけ、介護は良くないです。高齢の利用者さんが心から傷つきますし、介護をされている方自身も、罪悪感に苦しみます。
まさにアンガーマネジメントの出番です!
高齢者虐待の原因、調査の結果として最も多いのが、職員の介護技術や知識不足、2番目に「感情コントロール」が原因とあります。(厚生労働省調べ)
「ついカッとなって荒い介護をしてしまったことがある」「ついカッときて、暴言を言ってしまった」というように、反射的に怒りをぶつけてしまって、後悔した経験のある介護職の方と多く出会ってきました。そして、私自身が何よりその中の1人なのですから。
ついカッとなって、怒りにハイジャックされず、介護を行うためにはどうしたらよいのでしょうか?
まさにアンガーマネジメントの出番!これが私の答えのひとつです。
介護用の魔法の言葉をもちましょう!
私が介護をしているときに、アンガーマネジメントのテクニックを活用して助けられた場面は数え切れません。特にどんな場面かというと、夜勤中の心身ともに疲労の状態での、トイレ介助や、オムツ交換です。1人で担当する業務が多いと、心にマイナスの「焦り」や「不安」がたまり、そんなときに限って、理想がたくさん裏切られます(涙)そこで反射しないために、アンガーマネジメントの実践です。
私のオススメは、落ち着く言葉を自分に投げかけ、心を落ち着かせることです。
私が実際行っていた、怒りで反射しないための言葉は、「ワイキキビーチ」と3回唱え、好きなハワイをイメージしたり、「症状だから、症状だから」と唱えて、冷静になると、利用者さんがわざと汚したり、もの忘れをしているわけではないと気づくことができました。
色々試して、怒りをスッとやりすごせると実感できる言葉を見つけて下さい!
怒りが生まれやすい要素は常にあるのが介護ですが、だからこそこのアンガーマネジメントでイライラよりイキイキ介護を目指して頂きたい、そう願っています!