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協会ブログチームメンバーの梶田多恵子です。

「怪我をしてイライラする」という経験はありますか?

今回は、私が体験した「怪我をした時のイライラ」についてのお話です。

 

骨折した!

先月初めのことです。私はベッドから転落して右肩を骨折してしまいました。手術はしませんでしたが全治約2ヶ月の診断を受け、介護の仕事を休職する事に。

 

しばらくの間、右肩は完全に固定され、動かすことができず、食事や更衣など、生活に時間を費やすようになりました。服を着ようとしても腕が上がらず激痛が走ります。靴紐も結べない、雨の日は傘をさすのも一苦労です。固定された側の肘や手首も痛くなってきましたし、何よりまだ暑い日が続いていた10月初めのことでしたから、吊った側の腕に汗疹が出来て痒くてたまりませんでした。固定が外れて腕を動かしてよくなりましたが、やはり痛みは続きます。

 

些細なことにイライラし始めた私

2ヶ月休職する事で、職場の同僚にシフトをカバーしてもらわなければならないことに申し訳ないという気持ちもありました。10月中旬にはケアマネ試験もひかえていました。今までイライラしなかったはずの「些細なこと」に段々イライラし始めている自分がいました。バスの中で優先席に座ってスマホの画面を見続けている人がいたら「まったく!優先席なんだから席を譲らないなんてありえない!」とイライラ。スーパーやコンビニで買い物をした際の袋詰めでは「ああ!肩が動かせない!痛い!めんどくさい!」などと心の中で悪態をついていました。

 

ここはアンガーマネジメントの出番!

あれ?アンガーマネジメントコンサルタントの私が、相当イライラしているな…。

ここは改めてアンガーマネジメントの視点が必要だと、セルフコンサルティングをすることにしたのです。

怪我した時のイライラ

 

自分のマイナスな感情や状況を把握して対処法を考える

まずは「怒りが生まれるメカニズム」の視点で、今の自分の状況を考えてみました。

自分が抱えているマイナスな感情や状態がどれくらいあるかが怒りの度合いに影響する、とアンガーマネジメントでは考えます。私の場合、マイナスな状況の影響が大きく、「痛み」と「痒み」「不眠(痛みで夜間2時間おきくらいに目が覚めていた)」でした。この状況にどう対処すればいいか(どうすれば痛みと不眠がへるか)を考えてみます。

まず、痛みはお医者様からも「痛みは時間が経てば減ってくる」と言われていましたし、痛み止めも処方されたのでそれで対処できました。冷やすと痛みが治まることもわかったので我慢できない時には冷やすことにしました。痒みは、固定していた時には処方された痒み止めを使用し、固定が外れてからは痒みもなくなりました。不眠は痛みが少なくなるとともに徐々に改善されるだろうし、あまりにも眠れなければお医者様に相談すればよいでしょう。

次にマイナスな感情ですが「このまま治らなかったらどうしよう」「職場復帰できなかったらどうしよう」「試験が受けられなかったら困る」といった「不安」がほとんどで「早く治さないと」という「焦り」もありました。焦りが強いと不安も強くなるだろうし、逆もまたあるでしょう。骨折したところは徐々に治っているので、後はリハビリで腕の可動域を増やすこと、事実、腕が上がるようになってきているし、日々の生活でも出来ることが増えてきていることをアンガーマネジメントのテクニックの一つである「サクセスログ*」を使って確認することにしました。職場からも休職中はしっかり休むようにといわれたので「今自分にできること=治療、リハビリ」に専念する事にしました。試験は左手を使って受験する事ができました。

 

*サクセスログ・・・毎日の成功を記録することで、怒りを自信に変え、マイナス感情を普段から持ちにくくするテクニックです。

 

サクセスログ

 

自分がイライラする「べき」と向き合う

私が怪我をしたことで、イライラしていた事については、改めて自分の中にある「べき」とむきあうことになりました。バスの中で優先席に座ってスマホの画面を見続けている人については「困っている人(この場合は怪我をしている自分)には席を譲るべきだ」という「べき」がありました。見方を変えて「もしかしたらこの人も体調が悪いのかもしれないしものすごく疲れているのかもしれない」「立つのもリハビリ」と考えました。

むきあうことで行動にも変化がありました。なにより混雑が苦手なので、ウォーキングを兼ねて歩いて病院へ行くようにしましたが、途中で美味しそうなケーキのあるカフェや、人気のラーメン店を見つける楽しみができました。

お店での袋詰めについては「リクエストする練習」と考え「今腕が動かせないので袋に入れてもらえませんか?」とお願いしてみました。大抵の店員さんは応じてくださいました。振り返ってみると、私は小さい頃から困った時に周りに助けをお願いする事が苦手な所があったので、「~して欲しい」と伝える事の大切さを身をもって経験しました。そうしているうちにイライラすることが減っていきました。

 

職場復帰に向けて

この原稿を執筆している現在はまだ本格的なリハビリを開始していませんが、今後は現場復帰に向けてリハビリを行う予定です。介護現場では利用者さんが転倒されて骨折する場面が多くみられます。これからは利用者さんの痛みに伴うイライラや怒りにも寄り添えるようになりたいです。アンガーマネジメント的視点が、職場復帰後の現場に、そして何よりも私自身に役立つようこれからも活動してまいります。

 


 

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