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夏休みの子育てを考える

2016年07月05日

梅雨の晴れ間にのぞく太陽はもう夏そのものです。
以前このコラムで「イライラしがちな連休明けブルーを乗り越える対処法」について書いてからはや2か月が過ぎました。お子さんたちの様子はいかがですか。今日は、夏休みの子育てについて考えていきましょう。

 

◆夏休み前の子どもたち

7月の今頃は、学習のまとめで忙しい時期です。小学校では毎日と言っていいほどテストが続きます。国語・算数・理科・社会。学年が上がれば上がるほど、テストの枚数も増えていきます。
また、水泳の授業も6月から始まっているので、水泳の授業の後にテストという時間割の日も出てきます。

お子さんが持ち帰るテストの結果にイライラしていませんか。

暑い中、お子さんが一生懸命に取り組んだ結果です。なかには芳しくない結果を持ち帰ることもあると思います。イラッとしたら、まずは6秒数えて、その頑張りを認めましょう。そして、「次はどこに注意したらいいかな」といった問いかけをしてみましょう。

 

◆保護者の意識から

ベネッセ教育研究所が、小学1年生から中学3年生の子どもをもつ保護者に対して行なった「子育て生活基本調査」(※)には、次のような結果が報告されています。

「子育ての場面での意識」では、保護者が「感情的に叱ってしまう」の項目が、子どもが低学年で30.6%、中学年で28.3%、高学年で21.9%となっています。
「干渉しすぎてしまう」「つい不安になる」「何を考えているのか分からない」などの他の項目と比較すると高い数値になっています。

この傾向は、子どもの年齢が上がるにつれて下がっていく傾向にありますが、中学3年になって初めて「干渉しすぎてしまう」の項目が「感情的に叱ってしまう」の項目を上回ります。
子どもたちの成長過程のなかで、保護者の「感情的に叱ってしまう」傾向が継続することが分かります。

 

◆夏休みの子育てには工夫が必要

もうすぐ始まる夏休みは、毎日家にいる子どもたちに対してイライラしてしまうことも多くなる時期でもあります。
私が小学校の教員をしていた頃、夏休み前の懇談会では「昼食も毎日作らなくてはならないし、もう大変で、イライラしてしまいます」といったことがよく話題になりました。
調査結果からも年齢の低いお子さんに対して感情的になりやすいことを考えると夏休みの子育てには工夫が必要であると思います。

お子さんと夏休みの計画や準備をしている方も多いと思います。
キャンプや旅行、普段の生活ではなかなか体験できないことにチャレンジできるのも夏休みの楽しみです。この時期子どもたちは大きく成長します。自然と触れ合ったり、観光地を訪ねたり、我が家の夏休みを計画していきましょう。

また、毎日子どもたちができるお手伝いを考えていくのもいいですね。
親子で食事作りなども夏休みだからこそできることです。「これもできない」「あれもできない」と怒ったりせずに、一つずつできることを増やしていく夏休みを工夫してみましょう。

今子育てにアンガーマネジメントが必要だと言われています。とくに、まだ手がかかる年齢の低いお子さんに対して怒りが向きやすいことを意識しておくと自分の怒りに振り回されることがなくなりますし、何よりもお子さんに怒りが向かわなくなります。

もうすぐ夏休み、お子さんとの素敵な思い出づくりができる日々にしてくださいね。

 

※ベネッセ教育研究所 第4回子育て生活基本調査(小中版)[2011年] 第3章 子どものしつけ、教育観 第1節 子育ての場面

 

(文:三浦和美/編集:川嵜昌子

なぜマツコさんに怒られたいのか?

2016年06月28日

◆怒られたい芸能人2連覇

2015年に、日本アンガーマネジメント協会が制定した「アンガーマネジメントの日」は6月6日。怒りの感情のピークが「6」秒であることと、「ムカムカする」をかけています。

この6月6日を前に調査した日本アンガーマネジメント協会によるアンケート調査を振り返ると、「怒られたい芸能人」は、昨年に続き、マツコ・デラックスさんで、2連覇を達成しました。

今回は、なぜマツコ・デラックスさんに「怒られたい」と思うのかについて、考えてみたいと思います。

1. 怒る相手を選ばない
マツコ・デラックスさんといえば、人気者でよくテレビに出ていますね。そして、番組で、相手が誰であろうと怒ったり、意見を言ったりしています。
相手によって使い分けていないところに共感が集まるのではないでしょうか?

2. 怒る理由にブレがない
世間の常識も踏まえたうえでの、独自の価値基準をお持ちです。
その基準が一貫しており、ぶれていないように感じます。
怒るのも、自分の考えに基づいた判断なので、揺らぎがないのでしょう。
ケースバイケースで怒ったり怒らなかったりすることがありません。

3. 怒る相手に愛情を持っている
自分の機嫌が悪いからといって怒ることはしません。
マツコさんの基準で、怒る理由があるとき、納得がいかない時に怒っているように感じます。
その際、相手を責めるのではなく、自分の意見との違いをはっきりと打ち出します。
もし賛同が得られない場合でも、「そういう考えもあるわよね」と受け入れる懐の深さを持っています。

 

◆なりきってみる

マツコ・デラックスさんが支持される、これらのこと、「怒る相手を選ばない」「怒る理由にブレがない」「怒る相手に愛情を持っている」は、意識すれば、私たちにも実践できそうなことばかりではありませんか?

上司や部下との関係に悩んでいる方、家族と良好なコミュニケーションを取りたい方など、怒りをマネジメントしたい方には良い見本だと思います。

アンガーマネジメントの方法に「プレイロール」というものがあります。
自分の理想とする人になりきって行動します。理想のキャラクターを演じることにより、理想の性格になるという効果があります。
今度から、怒るときは、「マツコ・デラックスさん」になりきってみるのもよいかもしれません。

 

※日本アンガーマネジメント協会による“怒り”をテーマにした調査結果はこちらでご覧いただけます。

 

(文:相原あすか/編集:川嵜昌子

 

メールのイライラをこうして解決!

2016年05月31日

現在、高度情報通信社会となって、私たちの生活は大きく変わっています。
20年以上前、自宅にパソコン、一人ひとりが携帯電話を持つ生活を私たちは想像できたでしょうか。
今や子どもからお年寄りまで携帯電話を持っていることが珍しくなくなりました。こうした社会の変化によって、私たちの感情や、その表わし方も変わってきたように思います。

そして、以前にはなかったイライラがずいぶん増えたと感じている方も多いでのはないかと思います。とくに大学生や新社会人などではメールに関することがらも大事な指導内容・研修内容に入れる必要が出てきているのではないでしょうか。

「メールあるある」で考えてみましょう。

 

◆「件名」がないメールにイラッ

メールに件名がついていないことがあります。
「相談」「報告」などの件名があれば、ある程度内容を予想してメールを開くことができます。何も書いていないと「どういう内容なのだろう」と考えたり、誰からだろうと推測したりします。毎日多くのメールを受け取っていると件名がないことで余計な時間を費やしてしまいます。

 

◆「こんにちは」の「件名」にイラッ

学生から届くメールの「件名」には、「こんにちは」が多いです。
「件名」がないことでイラッとしたあとで、次はこれかという感じです。メールの内容は、ある活動に関する相談でした。相談なら相談って書いてよ!と思ってしまいます。

 

◆宛先や自分の名前のないメールにイラッ

こちらの宛先や発信者の名前が書いていないメールが届くことはありませんか。
友だち同士のやりとりが中心となっていると、わざわざ宛先を書くこともないからでしょう。当然のように本文から話が始まっていることがあります。
とくに、初めてメールをもらった場合、誰からなのかが分かりません。
「どちら様でしょうか」と恐る恐る返信をすることがあります。

 

◆「?」や「!」で終わっているメールにイラッ

「いつ時間が空いていますか?」で終わっているメールには、「それで本当に時間を取ってほしいの? ほしくないの?」と聞き返したくなるときがあります。また、こちらの返信に対して、「了解!」と、ひと言返信があったときは本当にイラッとします。

 

でも、こうしたことに怒っているだけでは何も解決しません。そこで、今年度は自分の担当しているゼミ生に対して、初回に「メールの書き方」を指導内容として追加することにしました。

・メールには「件名」をつけること
・相手の所属、役職、氏名を書くこと
・自分の所属、氏名を書くこと
・時間を取ってほしいときにはその旨を明記すること
・目上の人には「了解!」などの表記は使わない・・など

一つひとつのメールに怒ったりしないで、こうしたことを学生に伝えるとさっそく実践するようになりました。
メールに関する約束事を共有することで、イライラした気持ちがなくなり、気持ちよくコミュニケーションできることを体験しました。今の時代だからこそ、心がけていきたいことですね。

 

なお、メールの本来の目的は「用件を伝えること」です。ここでは私が思う一般的なルールを述べましたが、組織や文化によってルールが異なることもあるかもしれないことも心にとめておきましょう。また、自分のルールと異なる書き方のメールを受け取った時に、イライラしすぎて、本来の目的を見失って用件への対応を忘れてしまったり、荒っぽい返信を送ってしまったりしないように注意しましょう。

 

(文:三浦和美/編集:川嵜昌子

心も体も不調になりやすい5月を上手に過ごすには

2016年05月24日

新しい環境に変わってから約1か月、そろそろ心も体もお疲れではありませんか?
「五月病」という言葉もあるほど、5月は今までの疲れが出やすい時期です。
今回はどのように乗り切っていけばよいのか、アンガーマネジメントの観点から、考えてみましょう。

 

◆五月病とは

新年度の4月には入学や就職、異動、一人暮らしなど新しい環境への期待があり、やる気があるものの、その環境に適応できないでいると、人によってはうつ病に似た症状が出てきます。5月のゴールデンウィーク明け頃から起こることが多いため、このように呼ばれています。

新社会人の場合は、新人研修などが終わって実際の仕事をはじめた後の6月頃に見られることが多いため、「六月病」などと呼ばれることもあります。

ただし、これらは通称であり、正しい病名ではありません。病院に受診すると、「適応障害」と診断されることが多いようです。
精神的な症状だけでなく、食欲不振や胃の痛み、めまい、動悸などの症状を訴える人も多く、新しい環境の変化についていけない焦りやストレスが、知らず知らずのうちに体の症状となり、表われてきます。

 

◆新しい環境では、心のコップに注意する

アンガーマネジメントの考え方に「心のコップ」というものがあります。
怒りは「第二次感情」と言われ、心の中のコップに、ネガティブな「第一次感情」が水のように注がれ、溢れることにより、発生するという仕組みです。

新しい環境になじめるか、うまくやっていけるだろうかなどの「不安」
一人暮らしになったことの「寂しさ」
新しい部署のやり方についていけない「焦り」
日々の業務や勉強での「疲れ」

これらはすべて、心のコップに入ってくる「第一次感情」であり、「イライラ」の原因になります。

 

◆心のコップを溢れさせないためには

自分がイライラしていると感じたら、「心のコップに何が入っているかな?」と覗き込んでみましょう。
まず、自分の「第一次感情」を知り、理解することでイライラは軽減していきます。
客観的に自分を見つめ、自分は、本当はどうして欲しかったのかを知ると、それだけでもイライラは落ち着いてきます。

 

◆気分転換の方法をもつ

「これをやったら、気分が上がってくる」と思うものを、たくさんもちましょう。
好きなお茶を飲む、好きな音楽を聴く、飼っているペットと遊ぶなど・・・。
海外旅行など特別なものではなく、日常的にすぐできるものがよいでしょう。

気分転換の方法を行なうことで、心のコップに入った「第一次感情」の水を抜くことができます。簡単にすぐ実践できるものをたくさんもちましょう。

五月病は、たいていの場合は一過性で、1~2か月で自然と環境に慣れ、症状が改善すると言われています。
せっかくの新しい環境です。アンガーマネジメントで乗り切りましょう!

 

(文:相原あすか/編集:川嵜昌子

お役所仕事もさまざま

2016年05月17日

◆「たらい回し」にイライラ

行政手続きに馴染みのない一般市民にとって、役所の手続きは難しいことがあります。
先日、私はマイナンバー制度に関する手続きで久しぶりに役所へ行きました。
この制度については、昨年末から世間を騒がせているとおり、システム上の不備も多く、私が住んでいる地域も例外ではありません。

申請から手続きまで1か月程度との説明だったのに、通知が届くのに3か月かかり、ようやく届いた通知の中身はカードではなく、手続きの説明でした。
窓口が混み合うからと手続きは予約制で、役所に行く前にインターネットか電話で予約するシステムとのことでした。
説明を読みながら、やっと予約画面を開くと、予約枠がすべて埋まっていて予約できません。

しかたがないので電話予約の専用番号に電話してみました。
「電話が大変混み合っております」との自動アナウンスが何十回も流れたあとに、やっと電話がつながると「1か月先まで予約が一杯なので、翌月の受付が始まったら改めて予約を」との説明です。

「仕事があるので、そんなに待てません」と食い下がったら、「それでは、役所の担当部署に相談してください」と言われました。
その部署に電話をかけると「まずはインターネットか専用番号の電話で予約を取ってください」と、一巡して振り出しに戻ってしまいました。

「たらい回し」のお役所仕事ぶりにイラッとしましたが、このままでは手続きが進みません。まずは直接相談に行ってみようと思い、空き時間を見つけて役所に出かけたところ、予想外の展開が待っていました。

 

◆接遇とアンガーマネジメント

大辞林(第3版)によれば「お役所仕事」とは「形式主義に流れ、不親切で非能率的な役所の仕事振りを非難していう語」と解説されています。
お役所の仕事は、一般的にそのような理解なのでしょう。
私も同じようなイメージを持っていましたが、今回はそのイメージと異なる対応を体験しました。

手続きのフロアに行くと、職員の方から声をかけてくれました。
予約できなかった経緯を説明すると、すんなり案内されました。もちろん予約者が優先ですが、直接相談しに来る人がいることを想定して準備されていました。

見ていると、「家族で予約の時間枠が異なった」「小さい子ども連れで待つのが大変」など、さまざまな状況に、次々と臨機応変に対応していきます。
窓口の担当者も穏やかで丁寧に説明してくださり、予約のやりとりで溜まっていた怒りが消えてしまいました。
システムの不備を職員の対応力で見事にカバーしていたのです。

最近、接遇の要素としてアンガーマネジメントを取り入れた研修が注目されているように思います。
言葉遣いが丁寧でも、杓子定規な説明で、業務をこなすだけでは不十分です。忙しいなかでも穏やかな対応ができる、そんな感情面の安定が求められるのだと思います。

 

※筆者が住む地域での、ある一日の出来事です。全ての窓口が予約のない方に臨機応変に対応できる状況を用意できているとは限りませんので、まずは定められた手続きをすすめるようにしてください。

 

(文:田辺有理子/編集:川嵜昌子

イライラしがちな連休明けブルーを乗り越える対処法

2016年05月12日

最長で10日間の連休となった今年のゴールデンウィークも終わりました。連休中のニュースでは、各地で自然に触れたり、お祭りに参加したりと楽しい様子が伝えられていました。ご家族、また、友人と楽しい時間を過ごした方も多かったと思います。

今日で連休明け4日目になりますが、お子さんやご家族の様子はいかがでしょうか。なかには連休明けブルーになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここではこの時期のお子さんの事例からイライラの対処法を考えていきましょう。

 

◆その1 スローな幼稚園児・小学生にイライラ

とくに、4月から新しい環境に入ったお子さんは、ずっと緊張することも多かったことと思います。そこに10日間くらいのお休みが入ってしまうと生活のペースを戻すことが難しいですね。遅れがちになってしまう朝のスタートにイライラしていませんか。

そんなときは、本コラム「夏休み明けの子どもたちをイライラせずに見守るために」と同様、長期休み明けの対策として前の日からできることを考えておくとよいでしょう。ここでもう一度ご紹介します。

<前日に行うこと>

・学習用具(幼稚園バック含む)を確認し、整えておく
・服装を用意しておく 寒暖に対応できるよう複数用意しておく
・ハンカチ・ティッシュは幼稚園バックやランドセルの中に入れておく
・靴をそろえておく

「〇〇ができなくて遅いよ」という声がけよりも、「頑張っているね。早くできたね」とプラスの声がけを心がけてみましょう。連休明け、イライラした声がけよりも、温かい声がけをお子さんは待っているはずです。

 

◆その2 自分で起きてこない中高生にイライラ

連休明けにてこずるのは幼稚園児・小学生だけではありません。中高生も同じです。年齢が上がっているのに自分で起きてこない我が子についイライラしてしまうことはありませんか。「早く起きてきなさい!」と階段の下から叫ぶのが我が家の定番だった時期を思い出します。

連休明けは朝起きが遅くなりがちです。連休中のゆっくりの生活モードから目まぐるしい学校生活のモードに戻ることに時間がかかることを念頭に入れておきましょう。親御さんが自分のイライラに疲れてしまっては元も子もありません。

中高生の場合は、前日に何時に起きるかを考えさせることが有効だと思います。子どもたちは自分で決めたことは守ろうとするからです。周りでイライラしてせかしてしまうよりも、自分で計画を立てた時間まで待ってみるのもよいと思います。その間にさっとできる家事などを済ませておくとイライラせずに済みます。

 

これから夏休みに入るまでの長い3か月が始まります。どの子どもたちにとっても楽しく充実した毎日になるといいですね。イライラではなく、笑顔で「行ってらっしゃい!」を伝えてみましょう。

 

(文:三浦和美/編集:川嵜昌子

連休中の混雑をアンガーマネジメント的に考える

2016年04月28日

明日から大型連休、いわゆるゴールデンウィークですね。海外や国内旅行、ご実家に帰省など、過ごし方もさまざまだと思います。
しかし、ゴールデンウィークと言えば、道路の渋滞がつきものですね。例年、何十キロという渋滞をニュースで聞くこともあります。行きの道路の渋滞でイライラして喧嘩になって、道中、気まずい思いをした経験のある方もいらっしゃるでしょう。
せっかくの休暇です。楽しく過ごすヒントをアンガーマネジメントの考え方で、お教えしましょう。

 

◆渋滞とは

警視庁では統計上、下記を渋滞の定義としています(警視庁交通部 交通量統計表)
・一般道路:走行速度が20km/h以下になった状態
・高速道路:走行速度が40km/h以下になった状態

警視庁の考え方では、渋滞の長さは関係なく、速度が一定以下になった場合を「渋滞」と捉えています。
渋滞の理由はさまざまですが、信号や交差点での待機車両、橋や踏切、高速道路でのジャンクションや料金所などがあげられます。

 

◆アンガーマネジメント的に考えると

アンガーマネジメントの「3つの暗号」というノウハウの1つに、「分かれ道」という方法があります。
これは起こっている出来事を、「自分にとって重要か否か」という縦軸と、「自分でコントロール出来ることか否か」という横軸の、4つの箱に入れて考えます。

20160428

渋滞にあってしまったら、自分でコントロールすることはできません。しかし、長い渋滞はイライラするとすれば、自分にとって重要な事柄です。箱でいうと、右上の部分に当たります。そんな時は、「対処法」を用意していくのです。

混雑したときに聞くように、CDを用意しておいたり、簡単な食べ物を用意したりするのもよいでしょう。
ポイントは、イライラしないために、気持ちをほかにもっていけるような、気分転換のアイテムを用意することです。そうすることで、渋滞にとらわれてイライラすることはなくなります。

 

◆渋滞を回避する方法

ゴールデンウィークのような集中した休暇の場合、回避するのであれば、混雑のピークを避けて通るようにするなど、渋滞にあわないための方法もあるでしょう。
そもそものお休みをゴールデンウィークではない、他の日に取ることも、渋滞を回避する方法になります。
この場合、先ほどの4つの箱に入れると、左上の「自分にとって重要」なおかつ「自分でコントロールできること」に入りますので、具体的な方法を取るとよいでしょう。

せっかくのお休みも、上手に対応しないと、渋滞の記憶しか残らないこともあります。
渋滞でもイライラせずに楽しくすごせるとよいですね。

 

(文:相原あすか/編集:川嵜昌子

災害救援のストレスケアとアンガーマネジメント

2016年04月26日

◆災害救援者のストレスケアの重要性

熊本県および大分県を震源とする地震により、被災された皆さま、ご家族、関係者の方々に、心よりお見舞い申し上げます。

災害における救援活動は非常に重要性が高いものです。その一方で、被災地での心的ストレスは、被災した住民や傷病者のみならず、救助者にも生じるとされています。大惨事において、本来の適応能力では対処しきれないストレスを、「惨事ストレス」と表現することもあります。救助者は、救助した傷病者の予後がたとえ良好な場合であっても、強い心的ストレスが発生するという報告があります(※1)。

そこで今回は、「救助者およびボランティア参加者のストレスケア」をテーマとしました。

 

◆救援者に起こり得るストレス反応

気持ちの変化 気分の昂ぶり、イライラ、怒り、不安、憂うつ、無力感、自責感
強いストレス反応 現実感がなくなる、繰り返し思い出す、感情の麻痺、他人と関わりたくない
体の変化 悪夢、不眠、食欲低下、音に過剰に驚く
行動の変化 仕事への支障、飲酒量、喫煙量の増加

救援者は、上記の表のようなストレス反応を示すことがあるといわれています(※2)

 

◆怒りの感情とは

気持ちの変化の項目にある「怒り」の感情は、突然降って湧いてくるものではありません。心の中にさまざまな感情を貯めるコップがあると想像してください。そのコップの中に「不安、つらい、苦しい、痛い、嫌だ、疲れた、寂しい、虚しい、悲しい」など、ネガティブな感情がどんどんと溜まっていき、溢れだした時に「怒り」の感情がでてきます。

 

◆どうしてイライラするの?

以前に、「怒りの対処法を学ぼう 自分の『べき』は他人と必ずしも一緒ではない」で、なぜ私たちはイライラするのか、イライラする正体についてご紹介しました。
私たちは、自分が「○○するべき」「○○するべきではない」と思っていることと、現実のギャップが生じたときに、怒りを感じるのです。その怒りを自分に向けてしまうことで自責感が強まっていきます。

 

◆アンガーマネジメント的救援者へのサポート

救援者自身がセルフケアをすることで惨事ストレスを軽減できればよいのですが、本人が気づかないうちに強いストレス状態に陥っているかもしれません。
惨事ストレスは、十分な休息と、気心がしれた仲間や家族と過ごすなかで、時間の経過とともに軽快、消失する場合が多いといわれています。
救援者が日常生活に戻ったときに、話を聞き寄り添うことでストレスケアをサポートしていきたいものです。

そのときに、「○○するべき」という持論を救援者にぶつけるのではなく、救援者が経験し、感じてきたことを受け止める心の余裕をもって取り組み、私たちも平時から災害に備える必要があるのではないでしょうか。

 

参考文献
※1 「動ける!救急・災害ガイドブック」(平出敦、田口博一、窪田愛恵/編、羊土社、2016年)
※2 「災害救援者の心の守り方」茂村淳著(メディカ出版、2011年)

 

(文:髙橋直子/編集:川嵜昌子

新年度を迎えるマインドセット

2016年04月05日

◆新入社員を迎える

4月1日、新入職員を迎えた職場も多いのではないでしょうか。
この日の夕方、電車に乗ったら、目の前にまだ馴染んでいないスーツ姿の若者が2人座っていました。どのルートで通勤するのか、自宅がどこの駅かなどの話題、どことなくぎこちない会話を聞きながら、2人がこの日に知り合った同期入社らしいことが容易に想像できました。
初めての社会人、初めての職場、たくさんの出会い、緊張と、不安と、ワクワク感と・・・。
きっとこれからいろんな体験をしながら成長してくのだと、期待を込めて、その2人の会話を聞いていました。

さて、新しい職員が就職してくるこの時期、その職員を、指導・教育する役割を担う人も多いのではないでしょうか。初めて指導する立場になる人もいるでしょう。
人を育てるというのは本当に難しいことだと思います。
今回は、新入職員への指導についてアンガーマネジメントの視点で考えてみます。

◆考え方を切り替えよう

先日のコラムで『怒りに負ける人、怒りを生かす人』の書籍を紹介しています。この本のなかで、「怒りに対応する」より「不安に対処する」という考え方が紹介されています。

就職当初、新入職員は慣れない環境のなかでたくさんのことを説明されますが、一度にすべてを理解するのは至難の技です。もちろん、指導・教育する立場のほとんどの人は、このことを頭では理解しています。それなのに、しばらく時間が経つと「この前説明したのに、どうしてできないの?」と、イライラしてしまうのです。

そんなとき、もしかしたらイライラの背後に不安が隠れているかもしれません。
新入社員が間違えたら「指導が悪いと思われるのではないか」「指示の出し方、説明の仕方が悪いのではないか」と、新入社員ではなく、上司や周囲の人の目が気になっていることもあります。怒りが自分自身の不安に起因している場合があるのです。

自分の怒りがどこから来るのかを整理できれば、きっと対処方法がみえてきます。
「説明したのにどうしてできないの?」というのを、「相手が理解できるようにするためには、どうやって説明すればいいだろうか?」というように、考え方の切り替えを試みましょう。

私が電車で出会った若者のように、どこの会社かも知らないような新入職員なら、微笑ましく成長を願って見守ることができるのに、目の前にいる自分の部下だと、いつのまにか本人と関係のない不安が怒りとなって湧き上がってしまうことがあるのです。
新入社員が緊張や不安を乗り越え、職場でイキイキと働けるよう、指導する側が自身のイライラや不安に上手に対処し、気持ちに余裕を持ってかかわっていきましょう。

(文:田辺有理子/編集:川嵜昌子

イライラせずにお花見の季節を楽しんで

2016年03月31日

桜の開花宣言も出て、本格的な春の到来です。皆さんは桜をどこでどのように見ますか。昼の桜もいいですが、夜桜もきれいですね。

勤務先にある桜が一本、この時期には珍しく満開となっていました。ちょうど駐車場の建物と校舎とのあいだにあるので、朝夕眺めていました。
昨日もあまりに美しいので、写真を撮ろうかなと思って近づいていきました。するとそこに事務室の担当者とカメラを提げた年配の男性がやってきました。

新聞に「大学の桜満開」と出ていたらしいのです。ここしかないと思ってと案内してきたようですが、ここはずいぶん奥まっているところですし、一本だけしか咲いていませんでした。

翌日、用事があって別の道から勤務先に向かうと小高いキャンパスの法面(のりめん)一面に桜の木があって、そこの桜が満開でした。青空とマッチして、春爛漫といった様子。新聞に出ていたのはたぶんここだったのでしょう。
今となってはその方に教えることもできず、残念に思いました。来年、もし満開の桜を探している方がいれば教えたいと思います。

探してでも桜を見たい、わたしたちは本当に桜が好きですね。
一方で、この時期イライラも増えてしまうことはありませんか。

◆お花見にありがちなイライラは

まず、席取り。公園などの広い場所はたくさんの家族やグループがやってくることでしょう。皆さんはこの席取りをどのように工夫していますか。

シートを広げて置いていたはずなのに動かされていたとか、人数が少ないのだからもっとこちらに譲ってほしいとか、イライラの種はいろいろなところにありますね。こうした時にも隣同士トラブルにならないように、お互いに譲り合えるゾーンを広げてみましょう。

桜を見ながらのお酒、おいしいですね。最近は一気飲みなどで度を越すことは少なくはなってきていると思いますが、春の陽気に誘われてはめを外して、周りの方々からイライラの視線を受けないようにしたいものです。

最後に、ごみの始末。この時期、桜並木が続くところや公園のそばを通ると、ごみが散乱している光景をよく目にします。また、そのことでニュースになったりもしますね。
桜を愛でて、楽しく語り合って、ごみはそのままでは、せっかくのお花見も残念なことで終わってしまいます。散乱したごみを見ているだけでイライラしてしまう方も多いのではないでしょうか。

この時期お花見を巡って、けんかや騒ぎが起きてしまいがちです。怒りに振り回されないよう、アンガ―マネジメントを生かしてみましょう。

◆新しいスタートを笑顔で

桜のほかにも「カタクリの花が満開」というニュースも聞かれるようになりました。ちょっと遠出して山の斜面にカタクリが咲いている様子を見つけるとうれしくなります。長い冬が終わりました。日頃のイライラから解放されて、春の季節、お花見の季節を楽しんでみましょう。

そして、今週から新年度も始まります。新しい職場や環境になる方も多いのではないでしょうか。そんな新しいスタートをイライラではなく、笑顔で迎えるようにと願っています。

(文:三浦和美/編集:川嵜昌子